

アミン・アッバス
ドバイ: 柔道の日本人世界チャンピョンで、世界で最も知られている柔道選手の一人でもあり、2012年ロンドンオリンピックの銀メダリストの中矢力さんは日本人だけでなく、世界の人々に感動を与えた。
昨年の引退後、中矢さんは東海大学やALSOKの実業団柔道部のコーチに就任した。
同社柔道部は日本で最も有名な実業団柔道部だ。
その指導力により、2022年の全日本学生柔道選手権大会で東海大学は優勝した。
中谷さんは選手・監督として成功を収めたが、それだけでなく柔道の普及活動にも尽力している。
2020年、柔道を教えるためにアメリカへ。
アメリカでは柔道の知名度は低かったが、学生たちに熱心に柔道を教えた。
その甲斐あってアメリカの多くの学生が中矢さんの技を学ぶことができた。
わずか3週間の滞在だったが多くの学生に感銘を与えた。このように中矢さんはすべての柔道選手が尊敬すべき柔道家だ。
中矢さんは最近開催された第6回柔道日本大使杯に招待された。
この大会は在UAE日本大使館、UAEレスリング柔道連盟(UAEWJF)、ジャパン石油開発株式会社が11月12日にアブダビのファティマ・ビント・ムバラク・スポーツホールにて共同開催した。
中矢さんはスペシャルゲストとして本大会で柔道の技を披露した。
また、UAEで柔道を学ぶ若者を激励するためにシャルジャとフジャイラでも柔道の特別指導を実施した。
この大会にはアブダビ、ドバイ、シャルジャ、フジャイラ、アジュマンから180名の若い柔道選手の参加があった。
今年の大会は日本とUAEの国交樹立50周年を記念する一連の行事の一環として開催されており、そういう意味でも特別なものだった。
アラブニュース・ジャパンの独占取材に応じた中谷さんは、柔道というスポーツの道を歩むことになったきっかけを次のように語ってくれた。
「3歳年上の兄が柔道を始めたことがきっかけで自分も柔道を始めました。柔道を始めた当初はすぐに辞めようと思っていましたが、ずっと勝てなかった女の子に勝てたとき柔道の楽しさを実感しました」
「私が尊敬するアスリートやコーチについては、これまで多くのアスリートやコーチとお話をする機会がある中で考え方が尊敬できるなと思ったり、かっこいいなと思うアスリートがたくさんおられたので特定のアスリートやコーチを具体的に挙げることはできません」と続けた。
日本文化の中で最もインスピレーションを受け日々の生活で実践していることについて、中谷さんは次のように話す。
「『おのれ自身の益となるのみならず、他をもまた同時に利する』という意味の「自他共栄」という言葉が示すように、自分が成長していくことを大切にすると同時に自分ができることを社会に還元していくことは日本文化の良い側面だと思います。
また、日本人としてマナーの面でも大切にしていることがあります。例えば、日本の柔道チームは試合後に会場をきれいにします。
私もそうした日本の文化やマナーを日常生活で実践しています」
中谷さんは自身の柔道との出会いについて次のように話す。
「私は5歳の時に柔道を始めました。柔道を始めてから数ヵ月後に初めての試合があり、それが初めての大会でした。当時は柔道のルールもよくわかっていませんでしたが、結果的に3位入賞を果たすことができました。 初めてのメダルがとても嬉しかったのを今でも覚えています」
中東の人々や文化について感じていることについて中矢さんはこう語った。
「過去に試合で中東を訪れたことはありましたが、中東で柔道を教えるのは今月が初めてでした。指導をする中で感じたのはUAEの子どもたちが積極的で質問が止むことがないということです。私は日本で何度も柔道を教えていますが、日本の子どもたちはおとなしくて質問しない子が多いです。今回のUAE滞在でそんな両国の子どもたちの態度の違いを感じました」
「日本とは全く違う文化です。UAEの文化について私の知識と理解を深めるとても良い機会でした」と続けた。
プロを目指す柔道選手へのアドバイスについて中矢さんは次のように話す。
「まず、柔道をしている人やこれから始めようかと考えている人には『柔道を楽しんで欲しい』と伝えたいです。
楽しみながら柔道ができれば、きっと何年でも練習が続けられると思います。
結果を考えずにまずはこのスポーツを楽しんでください。
そして、嘉納治五郎師範の言葉の「精力善用」(「何をするにも心身の力を最も有効に使って目的を達成する」という「効率最大化」の意味)と「自他共栄」(自分自身の利益だけでなく、他の人のことも同時に利する)の精神を身につけることが大切です。
柔道は社会に貢献できる立派な人間に自分が成長していける素晴らしいスポーツだと思います」