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UAEのコスプレコミュニティーに迫るドキュメンタリー映画「ランゲージ・オブ・コスプレ」

この映画は、コスプレイヤーが直面する厳しい誤解、コスプレとは本当の意味、そしてコスチューム製作に傾けられた情熱に飛び込んでいく。
この映画は、コスプレイヤーが直面する厳しい誤解、コスプレとは本当の意味、そしてコスチューム製作に傾けられた情熱に飛び込んでいく。
この映画は、コスプレイヤーが直面する厳しい誤解、コスプレとは本当の意味、そしてコスチューム製作に傾けられた情熱に飛び込んでいく。
この映画は、コスプレイヤーが直面する厳しい誤解、コスプレとは本当の意味、そしてコスチューム製作に傾けられた情熱に飛び込んでいく。
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13 Dec 2022 02:12:19 GMT9
13 Dec 2022 02:12:19 GMT9

アミン・アッバス

ドバイ: UAEのコスプレコミュニティーを探求する短編ドキュメンリー「ランゲージ・オブ・コスプレ(Language of Cosplay)」は、コスプレイヤーが直面する厳しい誤解、コスプレの本当の意味、そしてコスチューム製作に傾けられた情熱に飛び込んでいく。

この映画には、501st Legion(第501部隊)氏、Sumi Cosplay(スミ・コスプレ)氏、Batman DXB(バットマンDXB)氏、Asad Morningstar(アサド・モーニングスター)氏、Essa Al Bastaki(エッサ・アル・バスタキ)。氏など、UAE(アラブ首長国連邦)のコミュニティーで重要な役割を担う地域のコスプレイヤーや、UAEのポップカルチャーコミュニティーに深く関わる有名アメリカ人コミックアーティスト兼ライターのボブ・レイトン氏(アイアンマンやヘラクレスなどのマーベル・コミックスの作品で知られ、ヴァリアント・コミックスの共同創設者でもある)が登場する。

「ランゲージ・オブ・コスプレ」の監督であるエピファニー・プロダクションズ(Epiphany Productions)のノラ・アルヘライス氏は、この短編ドキュメンタリー製作の経緯とひらめきについてアラブニュース ジャパンに独占的に語ってくれた。「コスプレに関するドキュメンタリーを製作することは、私たちのチームが以前から話し合っていたことです。チームは、コスプレイヤー、ポップカルチャーやアニメのファン、そしてあまり詳しくないけれどももっと知りたいと思っているメンバーで構成されています。このアイデアを追求することにしたのは、コスプレについて学びたいことがたくさんあると気付き、UAEの多くの人々が国内にそんなものが存在するなんて知る由も無いサブカルチャーに光をあてることができたらクールだと思ったからでした」とアルヘライス氏は述べた。

「私たちが最終的にコスプレについてのドキュメンタリーを手がけようと決めたときには、私たちの何人かは「中東フィルム・アンド・コミコン(Middle East Film and Comic Con)」を訪れてコスプレイヤーたちに会っていました。コスプレについてよく知らなかったメンバーにとって、コスプレイヤーを直接見て、一緒に写真を撮ったり、好きな番組や映画のキャラクターに気づいたりすることは、コスプレへの興味を深めるきっかけになりました」。

「ですが…」とアルヘライスは付け加える。「ひとつわかったことは、コスプレに対する理解が不足しているということでした。たとえば、会場に入ったとき、30代後半の男性がスターウォーズのかっこいいコスプレをしていたのですが、誰かが「もう40歳にもなろうとしているのにコスプレしてるよ。しかも男なのにできるんだね」と言うのが聞こえたのです。そのとき、私たちの多くは、コスプレイヤーたちを映し出すだけのドキュメンタリーでは不十分で、誰がコスプレしていいのか、どんな種類のコスプレならしていいのか、どのようにコスチュームを製作するするのか、その製作にどれだけの時間と労力がかかるのか、なぜコスプレイヤーたちはコスプレをするのかを観客に伝える必要があると気づいたのです」

短編ドキュメンタリー「ランゲージ・オブ・コスプレ」の製作チームが製作過程で直面した課題や経験について、アルヘライス氏は次のように語る。「この映画の完成までに約7ヶ月かかりましたが、その間に多くの困難に直面し、それらを克服してきました。まず、チームはこれまで製作した中でも最大規模で、総勢8名での製作となりましました。そのため、コミュニケーションとチームワークについては常に話し合っていました。全員が正しい道を進んでいることを確認し、お互いに助け合うためです」。

「大きなチームであるということは、移動手段やさまざまな場所を訪問するという点でも、さまざまな責任を負う人がたくさんいることを意味します。重い機材もたくさん使うので、スタッフと機材を運ぶために複数の車両で移動しなければなりません。現地に着いてから、機材を運び込み、セッティングし、コスプレイヤーが来るまでの準備に1時間半ほどかかります。取材が終わったら機材をまとめ、車両に戻すのにもう1時間かかります。私たちが直面した最大の課題のひとつは、コミュニティーについてのドキュメンタリーを作ることの責任と重圧でした。ドキュメンタリー映画製作者として、私たちはストーリーテリングにおいて正確であり、真実でありたいと思っています。そのうえで、コミュニティーについて自分たちが好きなものだけを選んで見せるのではなく、自分たちが発見したものすべてを見せたいとも思っています。UAEのコスプレコミュニティーはとても結束が固く、みんなお互いを知っていて、大きな家族のようなものです。ですから、彼らのコミュニティーを正確に見せることが重要なのです」。

「私たちのチームは、コンベンションに行ったり、さまざまなコスプレイヤーに話を聞いたり、ネットで調べたりして、多くのリサーチを行いました。たとえば、音楽に関しては、インタビューしたコスプレイヤーから刺激を受けて作曲しましたし、彼らが興味を持っている映画、アニメ、ゲームなどをたくさんリサーチして、そのインスピレーションを作品に落とし込んでいます。また、ポストプロダクションについていえば、たくさんの技術的スキルを身につけなければなりませんでした。クラフト感を出したかったので、アニメーションやストップモーションを試してみたかったのです」とアルヘライス氏は付け加えた。

短編ドキュメンタリー製作の中で最も印象に残った瞬間について、アルヘライス氏は「チームとして、みんなで一緒に困難を乗り越えなければならず、本当にお互いの距離が縮まり、信頼関係を築くことができました。映画製作の指導者は、ドキュメンタリー映画を製作する間、私たち全員に自分のコスプレ衣装を作成するように頼んできたのですが、それで私たちもコスプレイヤーの立場になって、コスプレイヤーたちが自分の衣装を作成するのに費やす努力に、改めて敬意を払うことができました。全員がコスプレをして集まったとき、コスプレコミュニティーの一員であることを実感できました。すごく楽しくて、コスプレコミュニティーってこんな感じなんだなと知ることもできました」と述べた。

「私たちにとってもう1つの忘れられない瞬間は、間違いなくコスプレ姿の取材協力者たちに会ったときです。最初にインタビューしたうちの1人はBatman DXBさんでしたが、彼はドバイでは有名なコスプレイヤーで、正体を明かしていないことで悪名高い人です。彼がコスチュームを着て店に入ってきたとき、そのコスチュームのディテールや、キャラクターになりきる様を見てとても驚きました。また、プロのコスプレイヤーであるSumi Cosplayさんにもコスプレをしてインタビューに来ていただきました。取材がとても楽しく、エキサイティングになりました」。

「また、私たちは一緒にたくさんの困難に直面しましたが、それも印象に残っているのは、みんながお互いを支え合っていたからだと思います。たとえば、スタジオで編集をすることになっている日に、プロデューサーのタイヤがパンクしてしまったのですが、それでも彼女はすぐになんとかして手伝いに来てくれました。チームの献身的な努力は素晴らしくて、それこそがこのドキュメンタリーを製作するのに必要なものだったのです」とアルヘライス氏は付け加えた。

ドキュメンタリー映画「ランゲージ・オブ・コスプレ」のコミュニティーからの評価については、「とても良いです。国内外の映画祭に応募していますが、まだ数ヶ月しか経っていないのに、3つの映画祭で選ばれているのはすごいことです。映画祭のガイドラインにより、まだ本編は公開できないのですが、国内の映画祭で上映されれば、観客はそこで観ることができます」とアルヘライス氏は述べた。

「この映画の製作中、一部の観客を対象としたプライベートなテスト上映を行い、いくらかフィードバックをいただきました。全体的に反応や手応えは非常に良いです。人々が映画を楽しんでくれたことに感謝していますし、すぐに続きを見てもらえることを楽しみにしています。今のところ、映画の予告編や舞台裏映像なら私たちのソーシャルメディアで見ることができます」と、アルヘライス氏は付け加えた。

エピファニー・プロダクションズの設立とそのコンセプトについて、アルヘライス氏は次のように述べている。「私たちのチームはエピファニー・プロダクションと呼ばれています。私たちは、SAEインスティチュート・ドバイ(SAE Institute Dubai)で学んでいる時に設立しました。一緒にプロジェクトに取り組んでいたのですが、お互いの芸術的ビジョンや労働観が好きであることに気づいたのです。そのため、今後も一緒にプロジェクトに取り組みたいと思い、エピファニー・プロダクションズを設立しました」。

「私たちはチームとして、賞を取った「ランデッド・インタレスト(Landed Interest)」というテレビパイロットエピソードや、賞を取ったヴィンテージファッションについてのドキュメンタリー、短編映画など、さまざまなプロジェクトに取り組んできました」。

「私たちは、UAEには素晴らしい話がたくさんあることに気づき、私たちの周りの世界について学べることが好きなので、ドキュメンタリーを追求したいと考えています。加えて、もっと多くの短編映画やテレビのエピソードなど、他のプロジェクトにも取り組みたいと思っています」とアルヘライス氏はつけ加えた。

エピファニー・プロダクションズの今後のプロジェクトについては、「数ヶ月前に、SAEインスティチュート・ドバイの卒業プロジェクトの一環として『ランゲージ・オブ・コスプレ』を完成させたところです。卒業、就職活動、映画の配給とバタバタしていますが、もっと多くのプロジェクトにぜひ取り組みたいと考えています。チームでドキュメンタリーのアイデアについて、短編映画やミュージックビデオなどの可能性についても話し合っています」とアルヘライスは述べた。

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