ダーラン：3月14日開幕の第1回アル・ウラー・ラクダカップの観客の中にはおなじみの顔が見られるだろう。グラミー賞受賞プロデューサーのスウィズ・ビーツと彼が所有する米国のラクダレースチーム「サウジ・ブロンクス」のことだ。

サウジアラビアのラクダレースには長い歴史があるが、近年は一流の娯楽となっており、国内外の名士やファンを集めている。

アラブニュースは、「スウィズ・ビーツ」として有名なカシーム・ディーン氏に独占インタビューを行った。

Q：チーム名は「サウジ・ブロンクス」ですが、ブロンクス出身でラクダレースチームを所有していることについてどう思っていますか？

A：信じられない気持ちだ。このブランドを通して二つの文化を融合させることで、自分にとってより一層パーソナルなものになる。ブロンクス出身の自分は、ラクダレースチームを所有する最初の米国人として、第二の故郷であるサウジでレースに参加して歴史を作ろうとしている。歴史を作ること、居心地の良い場所から外に出ることが大事だと思う。出身地に関係なく人々にサウジ・ブロンクスのエネルギーを感じてもらいたい。サウジ・ブロンクスに世界中から集まっている人々は、このブランドを代表し、サウジ、ブロンクス、ラクダレースというスポーツに対する愛を示している。ブロンクスからサウジ、そして世界中で混ざり合う文化の力の証だ。

Q：ラクダレースの世界に入ったきっかけは？

A：自分にはとても自然なことだった。親しい友人たちがこのスポーツにとても熱を上げているから。ここに来た時は大抵、朝早くラクダが調教されたりレースをしたりするのを見に行っていた。このスポーツやラクダ自体の背後にあるエネルギー、伝統、歴史に引き込まれたんだ。自分も参加しなければ、そして世界に知らせなければと思った。ラクダレースチームのオーナーになって4年目だけれど、もっと続けて、このスポーツをグローバルな存在にしたいと思っている。

 サウジアラビアのラクダレースには長い歴史があるが、近年は一流の娯楽となっている。（提供写真）

Q：このレースはなぜそれほど特別なのですか？それに参加するサウジ・ブロンクスには何が期待できますか？

A：アル・ウラー・ラクダカップは非常に特別だ。アル・ウラーはサウジの中で自分と家族のお気に入りの場所の一つ。所有しているラクダの家族全員に愛する人々にちなんだ名前を付けているのだけれど、彼らが史上最大のラクダカップに出場するんだ。レースに出るのはもちろんだけど、サウジ・ブロンクスというブランドの初披露でもある。来場者、地元アル・ウラーのコミュニティー、ラクダレースに出場する仲間たちをサウジ・ブロンクスの世界に招くことができるから、今回のレースは特別だ。

グラミー賞受賞プロデューサーは米国のラクダレースチーム「サウジ・ブロンクス」を所有している。（提供写真）

Q：ラクダレース調教師のハメドさんと特別な絆で結ばれていると聞きました。詳しく教えていただけますか？

A：このスポーツを特別なものにしていることの一つは、家族的な面だ。勝利や受賞の背後には大抵、誰よりもラクダとこのスポーツのことを理解している家族がいる。そういった家族たちは、ラクダを繁殖させ、調教し、世話し、レース中もラクダの傍で生活している。ほとんどDNAの一部になっているんだ。現在の世界でこれほど伝統や自然に近い生活は珍しい。その点で調教師に深く敬服している。自分はラクダレーストレーナーに物凄く恵まれた。ハメドとその素晴らしい家族だ。自分の家族と同じくらい愛し尊敬している。この数年間のサウジ・ブロンクスの勝利や成長の背後には大抵ハメドがいた。家族ぐるみで会ったり家で一緒に夕食を食べたりしているし、キャメルレースのシーズンもそれ以外の時も、いつもつながっている。

第1回アル・ウラー・ラクダカップは3月14日開幕。（提供写真）

Q：サウジ・ブロンクスの今後は？

A：サウジ・ブロンクス・ユニバースだ。世界中の人々が没入できる音楽、ファッション、アート、映画、アクティビティなどを通した体験的タッチポイントを作っているところだ。サウジ・ブロンクスは文化の融合を体現するものであり、誰もが関わりを持つことができる。今後はそれを発展させていくつもりだ。