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AFCチャンピオンズリーグ決勝を目指したショルツと浦和の長い旅路は、ついに目的地へ

サッカーAFCチャンピオンズリーグ準決勝、埼玉で行われた韓国の全北現代FC対日本の浦和レッドダイヤモンズとの試合後、サポーターに挨拶をする浦和レッズの選手たち。(File/AFP)
サッカーAFCチャンピオンズリーグ準決勝、埼玉で行われた韓国の全北現代FC対日本の浦和レッドダイヤモンズとの試合後、サポーターに挨拶をする浦和レッズの選手たち。(File/AFP)
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29 Apr 2023 12:04:54 GMT9
29 Apr 2023 12:04:54 GMT9
  • 浦和レッズは29日にリヤドで前回王者アル・ヒラルとの決勝第1レグを戦う

ポール・ウィリアムズ

浦和レッドダイヤモンズが最後にAFCチャンピオンズリーグの試合を戦ったのは、サウジ・プロフェッショナルリーグのシーズンが開幕したばかりで、クリスティアーノ・ロナウドがマンチェスター・ユナイテッドでプレミアリーグの新シーズンの準備を進めていた頃だった。

それは8カ月以上前、まだこのアジアのビッグイベントにおいて中立地開催やバイオバブルといった措置が取られていた時期のことである。

それ以来Jリーグではひとつのシーズンが終わり、新シーズンの戦いも本格化してきている。つまり日本の強豪である浦和にとって、今回のAFC決勝への道のりは通常とは異なるものだったと言って差し支えないだろう。だがデンマーク人ディフェンダーのアレクサンダー・ショルツは、自らのペースを崩さないよう努めている。

「実際のところ、私たちにとって今回の決勝への道は、2シーズン前の天皇杯で優勝する前から始まっていました」ショルツは今週配信されたポッドキャスト「The Asian Game」でそう語っている。

「それは私がこのチームに来て半年が経った頃のことで、すべてがつながっているように感じています。

「選手一人ひとりが試合に対して自分のやり方やアプローチの仕方を見つけなければなりませんし、私としてはここまで長かったとはあまり思っていなくて、それはつながっているのだという思いの方が強いですね。ですから私にとってはポジティブなことですが、観客の皆さんや外から見ている人たちにとっては確かに少し混乱するものだったかもしれません」

「友人たちからは、『それって同じ大会、それとも別の大会?』と訊かれます」

埼玉スタジアムで行われた準決勝で過去に2度の優勝経験を持つ韓国の全北現代とのスリリングな試合を制してからの8カ月で、多くのことが変わった。

その試合で得点を挙げたキャスパー・ユンカーと松尾佑介の2人はチームを去っており、選手たちの顔ぶれが変わったほかにも、失意のうちに2022年のJリーグシーズンを終えた後にスペイン人のリカルド・ロドリゲス監督が退任し、かつてアル・イテファクを率いたこともあるマチェイ・スコルジャが新監督に就任した。

「このチームの全体像は変わったと思います」30歳のショルツはそう話す。

「特に組織としては遥かに良くなったと思います。単純に強くなっていますし、チームの結束が強まったとも感じています。また、試合に対して攻撃的な意識を持って臨もうという気持ちがあります」

「お互いへの信頼をさらに高められるよう、数多くの戦術、ポジショニングを練習しています。この状況ではここ、その状況ではここ、といったように、お互いがいるはずの位置を把握しておかなければなりません。これは長い目で見てチームにとって良い効果をもたらすでしょう」ショルツはそう付け加えた。

「もちろん、私たちにはまだたくさんの改善点がありますし、新監督の就任から6カ月以内でスタイルを見出すのは難しいと思います。もっと時間がかかるでしょう。でもその兆しは見えています」

ショルツが説明したように、ポーランドリーグで数々のタイトルを獲得してきたポーランド人のスコルジャが監督に就任した影響はすぐに表れ、浦和はJリーグの新シーズン序盤で素晴らしい結果を残してきた。

開幕から連敗があったにもかかわらず、その後浦和レッズは公式戦11試合無敗を記録し、Jリーグでは首位からわずか2ポイント差の4位に付けている。

この絶好調からショルツと浦和のチームメイトたちは絶対的な自信を得て、今週末にキング・ファハド国際スタジアムで行われる決勝の第1レグに臨む。

「私たちはリーグで好調です」ショルツは言う。

「ですから大きな自信を持ってこの試合に望めます。私たちはワクワクしていますし、移動に向けた準備に主に意識を集中させています。たしか時差は5時間だったと思うので、素早く体を慣らす必要があります」

「23日の午後に試合があったので、アル・ヒラルとの試合に向けてはリーグ戦からの回復と、新しい環境への素早い適応が重要です」

ショルツとセンターバックのコンビを組むマリウス・ホイブラーテンの2人には、アル・ヒラルの点取り屋オディオン・イガロの支配力を抑え込むという、羨ましくない仕事が待っている。イガロはあと1得点で、今シーズンの得点王争いでアル・ドゥハイルのエジミウソン・ジュニオールに並ぶ。

だが、わずか数シーズン前にはデンマークのFCミッティランでUEFAチャンピオンズリーグに出場し、1-1で引き分けたリバプール戦を含む3得点を挙げたショルツは、ワトフォードやマンチェスター・ユナイテッドでもプレイしたイガロを相手にするという難しいチャレンジにも気後れしていない。

「私にとっては再び自分を証明する大きなチャンスです」ショルツはそう語っている。

「私にとっては毎試合が試験のようなもので、今回の試験は最も大きな試験です。ですから彼であろうと他のストライカーであろうと、私は常に同じアプローチで試合に臨みます」

「しかし、この試合では彼に1センチでも与えてはいけないことはわかっています。与えてしまえば、彼はそこを突いてくるでしょう。また、彼のプレースタイルは私がいつも対戦している日本人やブラジル人のストライカーたちとはおそらく違うはずなので、そのための準備もすることになります」

「しかし当然ながら、彼も他のストライカーと同じです。彼に対する準備をしておく必要があることは分かっています」

ショルツと浦和のチームメイトたちは準備万端だ。彼らはこの瞬間を8カ月待ち続けてきたのである。

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