





東京:サウジアラビア政府は日本のドキュメンタリー番組制作チームと共同し、世界初の紅海深海調査を実施した。先日NHKで放送された『NHKスペシャル Deep Ocean II〜世界初!深海の魔境に挑む』では、屈指の透明度を誇る紅海に棲む多様な生き物の姿が映し出された。
サウジ政府の支援を得て行われた今回の調査の最大の目的は、塩分濃度が周辺の海水より最大8倍も高い”ブラインプール”と呼ばれる神秘的な海底湖。原始地球の海に近い環境と考えられ、生命起源の解明につながる可能性がある。
これまでに南極やマリアナ海溝などの海域に焦点を当てた番組を制作し、今回、制作統括を務めたNHKエンタープライズの岩崎弘倫プロデューサーは、「紅海は未知の海であり、世界中の研究者が非常に注目しています。今年のNHKスペシャルの中では、2番目に視聴率が高かったようです」と述べた。
コロナ禍のため制作は2年ほど遅れたが、サウジ政府からの多大な協力と支援があった。岩崎氏は「サウジアラビアのワイルドライフセンターに感謝いたします。彼らの助けがなければ、番組は制作できなかったでしょう。私たちはこれまでにも深海に関する番組を制作した経験があり、今回の調査・研究に参加することができたのですが、大変嬉しく思っています」と謝意を述べた。
また、「何度か訪問したジェッダはとても印象的でした。メッカ巡礼の重要な拠点となる世界遺産があり、深い感銘を受けました」と語り、鶏肉料理をはじめサウジで出会った豊かな食文化についても称賛した。