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「私は殺していない」チリ人被告、殺人罪の有罪判決を不服として控訴

チリ国籍のニコラス・セペダ被告。(AFP/ファイル写真)
チリ国籍のニコラス・セペダ被告。(AFP/ファイル写真)
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05 Dec 2023 01:12:44 GMT9
05 Dec 2023 01:12:44 GMT9

ブズール(フランス):チリ人男性のニコラス・セペダ被告は4日、フランスの裁判所で行われた自身の殺人罪の有罪判決に対する控訴審の冒頭で、2016年に元恋人である日本人の黒崎愛海さんを殺害していないと主張した。

セペダ被告は昨年4月、2016年12月に当時21歳だった黒崎さんを殺害した罪で、禁錮28年の判決を受けた。

黒崎さんの遺体は見つかっていない。

控訴審は、黒崎さんが最後に目撃されてからちょうど7年の日に始まった。

「私は愛海さんを殺していません」と、32歳のセペダ被告は、フランス東部の町ブズールの法廷でフランス語で語った。

「私は訴えられていることに全力で異議を唱えます」と、刑務所でフランス語を学んだセペダ被告は述べた。

「本当に悪夢でした」とセペダ被告は被害者の母親と2人の姉妹が出席した満員の法廷の前で語った。

「彼女の家族は大きな悲しみに暮れているでしょう。私はいつもそれを胸に抱えています」とセペダ被告は明らかに感情的な様子で付け加えた。

今年2月、被告の弁護士が土壇場で変更となったため、控訴は延期されていた。

黒崎さん家族の代理人を務める弁護士シルビー・ガレー氏は記者団に対し、「黒崎さんご家族が今日ここにいる理由はただ一つ、愛海さんの思い出を称えるためです」と語った。

「ご家族は、ニコラス・セペダ被告からの告白で真実が明らかになることを期待することなくここに来ています」とガレー氏は付け加えた。

ガレー氏は、黒崎さん家族はすでに黒崎さんを悼んでおり、希望を持ち続けることは「極めて破壊的」であると述べた。

被告の父親であるウンベルト・セペダ氏は、「新たな裁判」の最後に息子の無罪が証明されることを望んでいると述べた。

「今日、愛海さんが死んだと断言することは誰にもできません」とウンベルト・セペダ氏は述べ、「科学的に不可能です」と付け加えた。

「今は21世紀です。フランスのように発展した国が、仮説に基づいて28年の刑を宣告することはできません。あり得ません」

セペダ被告の弁護士であるルノー・ポルトジョワ氏は、新しい裁判が「状況を変える」助けになることを望むと語った。

「これから始まる裁判は困難であり、不可能だと言う人もいるでしょうが、この二審が、一審とは違うものになるよう、最善を尽くす用意があります」と述べた。

ポルトジョワ氏は新たな精神鑑定を依頼しており、また、新たな証人を呼ぶ可能性がある。

優秀な奨学生だった黒崎さんは、2016年の夏、フランス語を学ぶためにフランス東部の都市ブザンソンに留学した。

黒崎さんは12月4日に行方不明となった。

黒崎さんを最後に見た人物は、黒崎さんとその1年前に別れたセペダ被告だった。

セペダ被告は、12月に黒崎さんと一晩を一緒に過ごしたことを認めており、偶然黒崎さんに会ったと主張している。

何人かの証人は「恐怖の叫び声」を聞いたと証言したが、当時警察に通報した者はいなかった。

黒崎さんの友人の何人かは、その後数日間、黒崎さんのSNSアカウントから奇妙なメッセージを受け取っており、警察はそれがセペダ被告によって送られたものだと考えている。

セペダ被告は2020年にチリからフランスに引き渡された。

検察側は一審で、セペダ被告は黒崎さんとの破局に耐えられず、ブザンソンまで足を運び、学生寮の部屋で黒崎さんを殺害した後、険しいジュラ地方の森に遺体を遺棄したと主張していた。

また、証拠として、証人による証言、電話記録、セペダ被告が借りたレンタカーの位置情報を挙げていた。

AFP

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