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火の手拡大、ビル倒壊も=「道路陥没、全て不安」―石川県輪島市など・能登地震

浜塚さんは「少し遅れていたらどうなっていたか分からない」と津波の恐怖を思い出していた。(AFP)
浜塚さんは「少し遅れていたらどうなっていたか分からない」と津波の恐怖を思い出していた。(AFP)
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03 Jan 2024 12:01:44 GMT9
03 Jan 2024 12:01:44 GMT9

中心部で大規模火災が起きた石川県輪島市。飲食店経営山下章滋さん(59)は「空が赤くなっているのが見えた。火の手が広まり、焦げ臭かった」と話した。店外では交差点の信号機が倒れ、道路も至る所で陥没や隆起が発生し、「今までと比べようにならないひどさ。全てにおいて不安だ」と漏らした。

同市の男性(55)は「水を求めて歩いていたら、7階建てビルが倒れていた。ビルはきれいに折れていた」と驚く。同市の女性(77)は「地面が割れ、自宅は全壊して足の踏み場もない」と困惑気味。電気と水道は止まり、コンビニも営業していないため食事にも困っていると訴える。

中心部から約15キロの浦上公民館には、住民らが続々避難した。喜田充さん(74)は「ゴーッという地鳴りがして少し揺れた後、ドーンと下から突き上げるようだった」と振り返る。1日夜は約60人がビニールハウスや車中で過ごし、たき火で暖を取った。「持ち寄った米などで炊き出しをしている。飲み物と食べ物の確保が心配だ」と疲れ切った表情で語った。

最大震度7を観測した同県志賀町でも、多くの人が避難所に身を寄せた。富来小学校に来た金沢市の会社員多田和彦さん(58)は同町内の実家へ帰省中に被災。「窓や食器が割れ、家の中はガラスの破片まみれになった」。1日夜は余震が多く、電気が付いたままだったため寝付けなかった。

同様に避難生活を送る橋本絹枝さん(69)は「実際に避難して、トイレなどが大変とつくづく感じた。余震が怖いのでしばらくはいるが、ぐっすり眠れず不安だ」と疲れた様子。橋本さんの息子の妻橋本美佐子さん(32)は「子どものおむつが足りないし、ご飯もないのが心配」と不安そうに話した。

同県珠洲市でも多くの建物が倒壊した。タクシー会社「スズ交通」の運転手浜塚喜久男さん(69)は、客を乗せて運転中に被災。道路に段差が生じ動けなくなった。津波から逃げるため車を置き、客を高台に避難させた。来た道を下ると、車はがれきとともに流されていた。浜塚さんは「少し遅れていたらどうなっていたか分からない」と津波の恐怖を思い出していた。

時事通信

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