
東京:メディアは3日、東京の空港で起きた旅客機と小型機の衝突事故に関連し、運輸当局が手がかりを求めて黒焦げの機体の調査に乗り出す中、警察が業務上過失致死傷容疑で調査していると報じた。
2日夕刻、日本航空(JAL)のエアバスA350は、羽田空港着陸直後に海上保安庁のデ・ハビランド・ダッシュ8ターボプロップ機と衝突し、炎上した。日航機の乗客は379人全員が奇跡的な生還を果たした。
日本海側を襲った大地震の支援活動に向かっていた海保機の乗組員は、6人中5人が死亡した。
航空専門家によれば、こうした滑走路上での衝突や侵入事故は以前は繰り返し起こる安全上の問題だったが、最新の地上追跡技術と手順のゆえにはるかに少なくなっているという。
日本の当局によると、事故原因は依然はっきりしないという。
共同通信や日経アジアなど複数のメディアが、警視庁が業務上過失致死傷容疑で調査していると報じた。
警視庁の広報担当者は、特別捜査班が空港に設置され、滑走路を調査しており、関係者を事情聴取する予定だと述べたが、業務上過失致死傷の可能性を調べているかどうかについてはコメントを避けた。
「人為的ミスの可能性が高いでしょう」と、元日本航空パイロットで航空アナリストの小林宏之氏はいう。
「滑走路に侵入できるのは通常1機のみですが、着陸許可が下りていたにもかかわらず、海上保安庁の航空機が滑走路上にいたのです」
liveATC.netに公開されている航空管制記録によると、日航機は現地時間17時43分(グリニッジ標準時8時43分)に滑走路34Rへのアプローチを続けるよう指示され、17時45分に着陸許可を得ている。2分後の17時47分、管制官が同滑走路での事故発生を伝えている。
「着陸許可34R日本航空516便」と管制官が言っているのが録音から分かる。
羽田空港はこの録音について即時コメントを発表することはしなかった。
日本航空は2日の声明で、航空機は滑走路へのアプローチおよび着陸の前に、管制官からの着陸許可を認識し、復唱したと発表した。
海上保安庁は、海保機がなぜ滑走路上にいたのか、事故発生時に同機が停止していたか動いていたかを含め、事故の周辺状況についてのコメントを避けた。
この海保機は羽田空港を拠点とする沿岸警備隊6機のうちの1機で、1日に起きた大地震の被災地への支援物資の輸送中だった。
2つの調査
関係者によると、警察による調査に加え、運輸安全委員会(JTSB)も、エアバス機が製造されたフランスや、同機のロールス・ロイス社製エンジン2基が製造されたイギリスからのエージェンシーと共に、事故調査に乗り出している。
エアバス社も、調査を支援するため技術アドバイザーを派遣していると発表した。
共同通信は、運輸安全委員会が海保機のフライトレコーダーとボイスレコーダーを回収したと報じた。
日本航空によると、事故後20分ほどで日航機の乗客乗員が避難したが、機体は完全に炎に包まれ、6時間以上燃え続けたという。
共同通信によると、関係当局は3日午後に日航機の黒焦げの残骸の撤去作業を開始する予定で、テレビが警察や消防職員が事故現場を調査する様子を映し出していた。
ロイター