
外務省は7日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く日本からの渡航者の入国・入域に制約を設ける国・地域を公表した。
同日時点で韓国など27カ国・地域が入国制限を実施し、入国後の行動制限を設けたのは63カ国・地域に上る。同省は「日本が危険というイメージが広がりかねない」(幹部)と危機感を強めている。
茂木敏充外相は6日の衆院外務委員会で「日本国内の状況や対策をしっかり説明し、必要な申し入れを行っている」と述べ、日本からの入国を制限するインドなどに解除の申し入れを行っていることを明らかにした。政府は、日本にある各国大使館などへの説明を通じ、安全性のアピールに躍起だ。
外務省によると、インドは3日以前に発給した日本人向けのビザ(査証)を無効にする措置を取った。トリニダード・トバゴは日本や中国などを出国後、14日以内の入国を禁止した。
韓国も6日、日本人向けのビザ免除停止などを発表した。
入国後の行動制限では、リベリアが日本や中国などからの渡航者に対し、経過観察のため14日間の隔離措置を実施するとしている。クウェートは日本からの入国後に、14日間の自宅待機を求めている。
一方、トランプ米大統領は3日、日本が米国による入国・渡航制限の対象となる可能性に言及。外務省幹部は「あくまで例え話だ」と火消しを図った。
海外メディアの報道には、夏の東京五輪・パラリンピック開催を危ぶむ論調も増えている。
大鷹正人外務報道官は2日、米紙に「日本政府は大流行を抑え、東京五輪を安全に成功させるためにあらゆる措置を講じる」との反論を寄稿。日本に対するマイナスイメージの広がりに神経をとがらせている。
JIJI Press