
東京:岸田文雄首相は30日、実質所得を増加させ、デフレ脱却を達成するために政府は「できることはすべてやる」と述べた。
「私の政権にとって最大の使命は、経済を再生させることだ」と、岸田文雄首相は衆院本会議にて、通常国会の開始を告げる施政方針演説で語った。
「経済、特に賃上げは緊急の課題である」
新しい政策の発表はなかったが、首相は、資金スキャンダルで与党・自民党の支持率が過去10年以上で最低となる中、政治に対する国民の信頼を取り戻す必要性を強調した。
今年の春闘は、持続可能な賃金の成長と安定したインフレの実現を焦点としている。雇用主と労働者間で行われるこれらの交渉の結果次第では、日銀による非伝統的な金融刺激策から脱却する道が開かれる可能性がある。
昨年、日本の大手企業は過去30年間で最高の3.6%の賃上げを行った。エコノミストたちは現在、2024年の賃上げがそれを上回る可能性があると予測している。これは労働力不足と343兆円に上る企業の現金積み立てを反映したもので、ほぼ3.9%になると見込んでいる。
しかし、労働者の10人中7人を雇用する中小企業は、大企業に比べ手厚い賃上げの実行に遅れを取っている。
アナリストたちは、デフレ脱却と日銀の政策変更のタイミングに相関関係があるのかどうかを注視している。
日本経済はもはやデフレではないが、物価下落が再発するリスクがあるため、政府は決定的なデフレ脱却を宣言できずにいる。
岸田外相は、政権が最低賃金を引き上げ、医療・福祉やトラック運転手などの公共セクター労働者、そしてパートタイマーや契約社員などの非正規労働者の賃上げを図ってきたと述べた。
首相は、賃上げに加え、6月からは所得税と住民税を一時的に1人当たり4万円減税し、可処分所得を増やすと述べた。
「官民連携により賃上げと可処分所得の増加を実現することで、賃金が上がるのは当然だという前向きな考え方を社会全体に定着させる」と彼は付け加えた。
岸田首相と鈴木俊一財務相はともに、財政改革に取り組む必要性を強調した。
「新型コロナウイルス感染症、およびインフレ上昇に対応するための複数回にわたる追加経済対策により、日本の財政状況はさらに厳しくなるだろう」と鈴木氏は国会で述べた。
彼は、2025年3月に終了する会計年度の国債発行予定額が約182兆円になることを指摘した。
「中長期的な財政改革に取り組むことで、日本財政の持続可能性に対する市場の信頼を確保しなければならない」と鈴木は語った。「歳出と歳入の改革を進め、2025会計年度の基礎的財政収支の黒字化を目指すことで、歳出構造の正常化を図る」
ロイター