ソウル：韓国外務省は、核兵器保有を追求する北朝鮮についての尹錫烈（ユン・ソクヨル）大統領の発言を、ロシア政府が批判したことについて、ロシアの外交官を呼び出し抗議したと発表した。

韓国の鄭炳元（チョン・ビョンウォン）外務次官（政務担当）は、２月３日（土）にゲオルギー・ジノビエフ大使を呼び出し、ロシア政府が尹大統領の発言に反発することは両国関係に悪影響を与えるだけだと伝えたことを、韓国外務省は発表した。

「鄭副大臣は、ロシアが真実を無視し、無条件に北朝鮮を保護する一方で、極めて無礼な言葉で指導者の発言を批判したことは非常に遺憾だと発言し、これは韓ロ関係を悪化させるだけだと強調した」と同省は声明で述べた。

ロシアのプーチン大統領は、2022年にウクライナに侵攻して以来、韓国のライバルである北朝鮮との関係を深めてきた。米国とその同盟国は、ロシアの戦争実行を助けるために北朝鮮がロシアにミサイルを大量に提供していると非難している。

尹大統領は、１月３１日（水）に開かれた国防・安全保障関係者の会合で、「北朝鮮の体制は、世襲的な全体主義体制を維持するためだけに、火と水の中を進んでいる。一方、ロシアとの武器取引によって、国際法と国連安全保障理事会決議を露骨に無視している」と語った。

その次の日、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、尹大統領の発言を「あからさまな偏見」と呼んだ。

同報道官は、記者団に対し、朝鮮半島の緊張が高まっていることから、この発言は「極めて偏向的」であり、その緊張は「主に、米国とその同盟国である（韓国や日本を含む）国々が、図々しい政策をとっていることが原因である」と述べた。

韓国外務省は、鄭副大臣が２月２日（金）にロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官と会談し、北朝鮮とロシアの軍事協力に対する韓国の厳しい姿勢を伝えたことや、韓国の核担当特使であるキム・ガン氏もルデンコ氏と会談したことを、２月４日（日）に発表した。

声明によれば、鄭副大臣とルデンコ外務次官は、ロシアのウクライナにおける戦争を含む問題についても協議したという。

ロシア外務省は、ルデンコ外務次官がソウルで鄭副大臣や他の高官と会談した際に「意見交換」が行われたと２月４日（日）に発表した。

「ロシア側は、周辺地域における緊張の急激なエスカレーションについて深刻な懸念を表明した」と声明で述べた。

「その主な原因は、アメリカの無責任で挑発的な政策にあると明確に述べられた。アメリカは、自らの地政学的な目的のために、地域の同盟国に対し、軍事的な領域を含め、予測不可能な結果をもたらす攻撃的な計画を実行するよう促そうとしている。」

ロイター