
東京:ブラジル・リオデジャネイロで行われたG20外相会合で上川陽子外相は、中東戦争による世界的な問題を強調、「世界経済への直接的な悪影響も生じている」と述べた。
上川氏は、現在の国際情勢が食料やエネルギー安全保障など人々の生活に深刻な影響を及ぼしており、修復不可能な段階に至る前にさまざまな課題を整理する必要があると指摘した。
イスラエルがガザ地区ラファに対する軍事行動を起こしていることについては、民間人の安全に深刻な影響を与える可能性があるとして、深い懸念を表明した。
上川氏は、「ハマス等によるイスラエルへのテロ攻撃」を非難した。一方、ガザのインフラや建物の約70%を破壊し、瓦礫の下で行方不明になった人々を含む10万人近い民間人を殺傷した、イスラエルによるガザ侵攻とパレスチナ人に対する「ジェノサイド」については、非難することはできなかった。
上川氏は、日本はガザの危機的な人道状況を深刻に懸念しており、人道支援活動が行われる環境の確保を重視していると表明。すべての関係者に対し、国際人道法を含む国際法を順守し、人道的な観点から直ちに行動するよう求めた。
日本はパレスチナに人道支援を行ってきており、3200万ドルの追加緊急援助を検討している。また、国際社会がこれまで支持してきた「二国家解決」の実現に向け、関係国と協力して積極的に貢献すると表明した。
紅海やアデン湾でのフーシ派による船舶への攻撃については、これを強く非難、日本は航行の自由を確保するため、関係国と緊密に連携して必要な措置を講じると述べた。この点について日本は、イエメンの標的に対する米国および英国の軍事攻撃を全面的に支持している。
主要20ヵ国(G20):サウジアラビア、日本、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、メキシコ、韓国、ロシア、南アフリカ、トルコ、英国、米国、アフリカ連合(AU)、欧州連合(EU)。加えて、今回の会議にはエジプト、アラブ首長国連邦などが招待された。