ワシントン:米政治専門紙ポリティコは29日、日本の海上自衛隊と米国、フィリピンの海軍が、南シナ海で初の合同警戒監視活動を年内に実施する方向だと報じた。同海域で威圧的な行動を強める中国をけん制する狙いがあり、来月11日にワシントンで行われる日米比首脳会談で合意する見通しという。
南シナ海では、中国海警局の船舶がフィリピン船に衝突したり、放水銃でフィリピン側の乗組員にけがをさせたりと、危険行為をエスカレートさせている。合同の警戒監視活動が実現すれば、領有権を主張する中国の反発は必至だ。
2022年に就任したフィリピンのマルコス大統領は、中国傾斜を指摘されたドゥテルテ前政権の外交方針を修正。日米との関係強化を急いでいる。昨年6月には、日本の海上保安庁と米比の沿岸警備隊が初の合同訓練を実施し、3カ国の海洋安全保障協力を進めてきた。
一方、バイデン米政権は日本などインド太平洋における同盟国の役割拡大に期待し、同盟国のネットワーク化を推進。3カ国首脳会談はこうした流れを加速させるため、米主導で今回初めて開催される運びとなった。
ポリティコはまた、ホワイトハウスが米英とオーストラリアの安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に関し、先端技術協力で日本と連携することを検討していると伝えた。
時事通信