
【台北時事】台湾東部・花蓮沖で発生した地震で、消防当局は5日、花蓮県の山間部から日本人女性2人を含む82人をヘリコプターで救出したと明らかにした。消防当局によると、5日午後時点で600人超が孤立。10人が安否不明で、捜索が続いている。同県では落石や建物の倒壊などで10人の死亡が確認された。
消防当局の発表では、観光名所、太魯閣(タロコ)渓谷のホテルと近隣施設で約500人が孤立している。日本人女性2人は同渓谷のホテルから救出された。キャンプ場や避難所となった小学校施設でも計100人以上が救助を待っている。
救助隊は5日午前、ヘリコプターでホテルの上空に到達。救援物資を投下し、病人や妊婦、子供などの順に救出作業を開始した。ホテルや近隣施設には1週間程度の食料があり比較的安全な状況で、「がれきを撤去し道路が整備されれば避難できる見通し」という。このほか、渓谷のトンネルに取り残されていた観光客やホテル従業員ら9人も救出された。
一方、発生直後に大きく傾き一部が崩壊した花蓮市のビルの解体が5日、始まった。解体作業には2週間ほどかかる見通し。
地震は3日午前7時58分(日本時間同8時58分)ごろ発生し、台湾全土で揺れが観測された。地震の規模は、台湾中央気象局発表でマグニチュード(M)7.2。日本の気象庁はM7.7と推定している。
北部の新北市や台北市など各地で計1123人が負傷した。花蓮県だけでなく台北市でも揺れを感じる余震が断続的に起きており、台湾の中央通信社によると、3日以降で震度5以上の地震が22回発生した。
JIJI Press