
東京:NPO法人パルシックでパレスチナ事業を担当する糸井志帆氏は6月11日、国会内で開かれた会合で、「ガザでは子どもたちが餓死し、人々は死の淵に立たされている。8ヶ月以上続く激しい空爆は、人々の心と体を破壊し、ガザはまさにこの世の地獄と化しています」
糸井氏は、ガザの人道危機を緩和するために活動している団体の代表者が参加した、超党派の議員で作る「人道外交議員連盟」の会合で発言した。この会合は、ガザ支援に携わる人々から、人道危機が危機的状況になりつつあるという明確なメッセージとともに、日本のメディアによって報道された。
ガザで食糧支援などを行っているNPO「パレスチナ子どものキャンペーン」の田中好子事務局長は言う: 「ラファ侵攻後、6月10日まで、ガザに物資がほとんど届かない日が続きました。私たちは、物資の輸送ができないために、死ななくてもいい人々が死んでいくことを懸念しています。パレスチナの子どもたちの9割は、米もほとんど食べていません」
田中氏がまとめた国連のデータによると、ガザに援助物資を届けるトラックの数は、ガザでの戦闘が始まった昨年10月の218台から今年4月には5671台に増えたが、5月には1656台に減り、6月に入ってからの10日間ではわずか234台にとどまっている。ガザの治安悪化により、物資を積んだトラックの約7割が最終目的地に到着できていない。
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでガザ活動を担当する金子由佳氏は、「ガザの子どもたちの少なくとも1%(14,100人)がすでに亡くなり、犠牲者は増え続けています。この悲劇を止めることができるのは、即時停戦しかありません」
日本国際ボランティアセンターの小林麗子氏は、多くのパレスチナ人が、外の世界はもはや自分たちのことなど気にかけていないと思っていると語った。
「停戦が実現しない中、住民たちは『なぜ何もしてくれないのか』と、国際社会が自分たちのことを忘れてしまったのではないかという不安を口にしています」
「イスラエルのジェノサイドを許さない市民の会」は、政府に適切な措置をとるよう説得するため、嘆願書を組織した。同団体の滝あさこ氏は、日本企業がイスラエルとビジネスを行っていること、特に武器の分野で行っていることを批判した。「イスラエルへの武器輸出は言語道断です。他の経済制裁が必要な段階にきていると思います」
中東研究を専門とする東京外国語大学の黒木英充氏は、早期停戦の可能性は低いと指摘する。「ボールはイスラエルが握っていますが、しばらくは難しいでしょう。イスラエルはガザで人を殺すだけでなく、家や学校、病院などのインフラを破壊し、ガザを居住不可能な場所にする努力を続けています。国際社会から孤立しつつあることを自覚し、不安を感じているが、戦闘が終結すれば、ネタニヤフ政権は存続できなくなるでしょう」