
世界でもっともたばこに優しい都市の1つである東京で4月1日から禁煙法が施行されるため、レストランやバーの常連客たちが屋内で喫煙できるのは火曜日が最後となる。
日本はタバコ消費量削減の取り組みにおいて多くの国に遅れをとっている。東京のみが適用している禁止令は従来の紙巻たばこには適用されず、日本が世界最大の市場となっている、いわゆる「加熱式」タバコには適用されない。なお、液体ニコチンを使用する電子たばこは禁止されている。
この禁止令は、延期が決定した2020年のオリンピックに向けた準備の一環であり、従業員を雇用する施設を対象としている。つまり、街で有名な家族経営のバーやレストランの多くは免除となる。
政府が2018年に他の国内禁煙法とともに承認したこの禁止令が発令されるまでには2年かかった。最大のたばこメーカーであるJT(日本たばこ産業)の株の3分の1は政府が保有し、JT製品の税収が相当の額となるこの国では、禁煙活動家の活動は困難なものとなっている。
「今年度の法律では十分でない」と、政治家であり禁煙活動家である松沢しげふみ氏はロイターに語った。「法案を通過させるために多くの妥協が必要だったため、いくつかの抜け穴があります」。
日本での喫煙率は5分の1に満たず、人口の約半分が喫煙していた半世紀前よりは減少しているが、たばこは広く入手可能であり、値段も手頃だ。20本入りパックが約500円($4)で、同じくG7のメンバーであるイギリスの3分の1の値段となっている。
活動家によれば、日本では受動喫煙により年間約15,000人が亡くなり、その多くが女性と子供だ。
JT副社長の小倉健資氏は禁止令が「一定のレベル」で売上に影響を与えると予想していたが、詳細を明らかにしなかった。これまでJTは、加熱式たばこを競合他社よりも普及させるために苦心してきている。
また昨年、フィリップモリス社は今年度の利益見通しを引き下げた。
喫煙者であるダイキ・ワタナベ(30)さんは、法律によって習慣が変わることはほとんどないだろうと言った。「人間の意志は弱いものです」と彼は言った。「私は禁煙したくありません。もし吸えるなら吸います」。
だが、客を失うことを恐れ、指定の喫煙コーナーを設けたレストランもある。「たばこを吸わないお客様のご意見をお聞きしてまいりました」と東京で居酒屋やバーを経営するアキヒロ・フニュウさんは語った。「しかしこちらでは、たばこを吸われるお客様のご意見も同様にお聞きし、喫煙室を作りました」
これまでに2,000人以上が感染、59人が死亡したコロナウイルスのアウトブレイクに日本が立ち向かっている最中に、この法律は施行される。
WHOは喫煙者のウイルス感染率が非喫煙者よりも高いことを訴えているが、リョウ・オクムラさんのような喫煙者にとっては禁煙するための動機として不十分である。
「感染するなら、感染します」と彼は言った。「やめられないんです。楽しみなんです」
ロイター