熊本県で2020年、災害関連死を含め67人が死亡、2人が行方不明となった豪雨災害の発生から4年を迎えるのを前に、同県人吉市で30日、市主催の追悼式が開かれた。遺族や木村敬知事ら20人が出席し、犠牲者の冥福を祈った。
式典で松岡隼人市長は「現在も多くの方が仮設住宅での生活を余儀なくされている」と述べ、「一日も早い復興を目指して取り組みを進める」とあいさつ。当時、市の消防団長を務めていた丸尾喜世人さん(75)は、「人吉の復興とともに、災害の教訓を風化させることなく伝え続けていくことを誓う」と話した。
式典終了後、両親を亡くした西村直美さん(56)=北九州市=は、「4年たっても悲しさは変わらない」と目に涙を浮かべた。昨年の式典で遺族代表だった倉岡伸至さん(55)は、「水害が起きないような町づくりを早く進めてほしい」と述べた。
昨年までは県との共催だったが、復興が一定程度進んだことや高齢化した遺族の負担を考慮して規模を縮小。氾濫した球磨川流域の八代など3市町村は式典開催を見送り、献花台を設置した。
豪雨災害は20年7月4日に発生。人吉市では災害関連死を含め21人が命を落とした。県によると、5月末時点で224世帯424人が仮設住宅に入るなどの再建支援を受けている。
時事通信