
ワシントン:北大西洋条約機構(NATO)高官は11日までに、東京に連絡事務所を設置する案が棚上げ状態にあることを明らかにした。首脳会議が開催されたワシントンで、記者団に「現段階では合意に達していない」と語った。ただ、「数年後に計画が再浮上しても驚かない」とも述べ、事態が今後進展する可能性を否定しなかった。
同高官は、東京事務所について「関係強化のための大使館」のような施設になると説明。中国が「アジア太平洋版のNATOは必要ない」と強く反発していることを念頭に「アジアがNATO化するとの見方はナンセンスだ」と強調した。
東京事務所の設置案は2023年春に明らかになったが、フランスが慎重姿勢を示し、同年7月の首脳会議では合意に至らなかった。今回の首脳会議では、日NATO間で機密情報のやりとりが可能な専用回線を開設することで合意している。
時事通信