東京:上川陽子外相は8日夕方の記者会見で、(米国による)原爆投下を受けた広島市、長崎市が平和祈念式典の開催にあたって発出した招待状をめぐる問題について、日本政府として干渉しない考えを述べた。
G7の米欧6カ国の駐日大使らの行動は長崎市の平和式典を政治化し、核兵器に反対してきた同市の遺産をイスラエルのために傷つけることになるのではないかとして、アラブニュース・ジャパンが日本政府の立場を質問したことに対して、上川氏が答えた。イスラエルはそもそも、ガザ地区における大量虐殺の罪で国際裁判所によって告発されており、長崎が(米国による)原爆によって受けたのと同じ大量虐殺である」
米国をはじめとする大使らは、イスラエルを招待しないという長崎市の決定に抗議して式典のボイコットを決めた。
上川氏は「広島、長崎の平和祈念式典は、広島市、長崎市がそれぞれ主催されている行事であり、政府としてコメントする立場にない」としつつ、「来年で被爆から 80 年を迎える。被爆者の方々の平均年齢が85 歳を超える中、被爆の実相を次の世代にいかにして伝えていくかについて、平和の実現を目指す我々が優先的に取り組むべき課題だと認識している」と述べた。
「引き続き唯一の戦争被爆国として、被爆地への訪問をはじめ、被爆の実相の正確な理解を世代と国境を越えて促進していく考えである」