東京:原子力資料情報室(CNIC)は、2011年に甚大な被害を受けた福島第一原子力発電所から東京電力が核燃料のサンプルを採取していることについて、この作業は無意味であり、同原発の処理作業が遅々として進まないことに疑問を呈している。
CNICは水曜日、「政府と東京電力は、サンプリングによって得られた核燃料デブリの特性や状態に関するデータは、回収方法の検討を含め、今後の廃炉作業に不可欠であるとしている」と報じた。「しかし、今回採取されたサンプルは、推定880トンのデブリのうち数グラムに過ぎない。サンプルを分析したとしても、このデータは破片の全体的な性質を代表するものにはならないだろう。これでは、本格的なデブリ回収方法を研究するには不十分である」
東京電力ホールディングスの福島第一原子力発電所1〜4号機の廃炉に向けた中長期ロードマップによると、廃炉は事故から40年以内に完了することになっていた。CNICは、どれだけの瓦礫を撤去するのか、建屋をどうするのか、放射性廃棄物をどうするのか、といった要素がわからなければ、多くの問題に対処できないとしている。
「2051年に廃炉を完了させるのであれば、廃棄物処理のための資金の蓄積も考慮する必要がある」とCNICは指摘する。「廃炉費用8兆円(570億ドル)の試算は、ガレキを撤去するまでの費用である。今後発生する膨大な放射性廃棄物の処分費用を含めると、もっと高い費用になることは間違いない」
CNICは、この目的のために年間約20億ドルを確保しているにもかかわらず、東京電力にこの作業の「体力」があるのか疑問を呈している。
「福島第一原子力発電所の廃炉はどこまで可能なのか?2051年までに可能なのか?また、それまでに資金は準備できるのか?事故から13年が経過し、東京電力が福島原発事故の責任を果たすのであれば、今こそ真剣に検討すべき時である」