• 準軍事組織の即応支援部隊はジェンダーに基づく暴力に対するゼロ・トレランスの姿勢を公に表明しているにもかかわらず、同部隊の隊員が一貫して加害者として特定されていると専門家は述べた
• 強制性交事件の中には民族的および人種的動機によるものと思われるものもあり、女性の人権擁護者が直接の標的となっている

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク：木曜日、国連の専門家30人あまりが、即応支援部隊（RSF）の隊員による「広範で残忍な強制性交およびその他形態の性暴力事件」の報告をめぐり警鐘を鳴らした。RSFは現在スーダンで進行中の紛争における交戦勢力のひとつであり、国連の専門家はこれら暴力の即時中止を求めた。

専門家らは「この紛争によって、とても大きな人道的影響が生じた。数千人の民間人が殺害され、数百万人が強制的に故郷を追われた。70万人近くの難民や亡命希望者が近隣諸国への避難を余儀なくされている」と述べた。

これら専門家には、女性と少女に対する暴力ならびにその原因と影響に関する特別報告者リーム・アルサレム氏、移民の人権に関する特別報告者フェリペ・ゴンザレス・モラレス氏、人身売買（特に女性と子どものもの）に関する特別報告者シボーン・ムラリー氏らが名を連ねる。

専門家らはスーダン国軍とRSFの双方に対し、人道法および人権法の違反をやめるよう求めると同時に、RSFによる広範な違反に関する相次ぐ報告をめぐり、はっきりと強い懸念を示した。それら違反の疑いには、強制失踪、強制労働、性的搾取、女性や少女の誘拐などが含まれる。

RSFはまた、数百人の女性を劣悪な環境で拘束し、性的暴行を加え、性奴隷の対象にしているとも言われている。専門家らは、現地の女性人権擁護者が直接の標的になっていると語った。

そして、「ダルフール同様、都市中心部に住むスーダン人の女性と少女は、特に暴力の対象になりやすくなっている。主にエリトリアと南スーダンからの移民や難民の女性と少女の命と安全も深刻に脅かされている」と話した。

「RSFの隊員として特定された男たちが、コミュニティーに罰や恐怖を与える手段として、女性や少女に対する強制性交や性的暴力を行っている疑いだ。報告されている強制性交の中には、民族的、人種的動機に基づいたものもあるようだ。」

スーダン国内で戦闘が続いていることで、暴力の被害者に支援を提供する能力が依然として深刻に損なわれている。これにより、影響を受けた個人、コミュニティー、紛争の被害地域全体へのアクセスが妨げられ、現地および国際機関が生殖および性的ヘルスケアなどの必要な支援を提供することが困難になっている。

RSFは性的暴力やジェンダーに基づく暴力に対するゼロ・トレランスの姿勢を公に表明しているにもかかわらず、こうした犯罪の申し立てでは一貫してRSFの隊員が加害者として特定されていると専門家は述べた。

そして、「RSFは、性的暴力およびジェンダーに基づく暴力ならびに人身売買の防止、人道的アクセスの促進、加害者の責任追及など、人道的および人権的義務を守るという決意を行動で示さなければならない」と付け加えた。

「被害者への支援と保護、そして効果的な救済策へのアクセスが女性と少女に提供されなければならない。」

スーダンの紛争は5か月目に突入し、激しい戦闘ならびに遺骨の回収と身元特定の難しさのため、正確な死者数は依然として不明なままである。国連は、数百人の民間人、28人の人道支援者と医療従事者、435人の子どもを含む4,000人以上が死亡したと推計している。実際の数はこれよりずっと多い可能性がある。

戦闘で最も大きな被害を受けた地域は、ハルツームとその周辺、北コルドファン州のエル・オベイド、ダルフール地域の一部、特に民族的理由で民間人が攻撃された西ダルフール州などが挙げられる。

国連の専門家は、紛争の平和的解決、さらには交戦勢力に対して国際人道法と人権法の厳格な遵守を求めた。また、国際社会に対し、報告されたこれら法律違反について、徹底的な調査を行うよう呼びかけた。

特別報告者は、国連人権理事会で個人の立場で自主的に活動する独立した専門家である。彼らは国連職員ではないため、国連での仕事に対する報酬は受け取っていない。