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マングローブ:自然の生態系の守り役を守るサウジの努力

紅海の島々ではラクダに牧草地を提供し、沿岸部では冬の間、ラクダに良質な栄養を与えている。 (提供)
紅海の島々ではラクダに牧草地を提供し、沿岸部では冬の間、ラクダに良質な栄養を与えている。 (提供)
紅海の島々ではラクダに牧草地を提供し、沿岸部では冬の間、ラクダに良質な栄養を与えている。 (提供)
紅海の島々ではラクダに牧草地を提供し、沿岸部では冬の間、ラクダに良質な栄養を与えている。 (提供)
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21 Jan 2022 09:01:52 GMT9
21 Jan 2022 09:01:52 GMT9
  • 当局は、サウジ・グリーン・イニシアティブの一環として、サウジアラビア全土に100億本のマングローブを植樹する予定だ

ナダ・ハミード

ジェッダ: 気候変動への対応、二酸化炭素排出量の削減、環境改善を目的として昨年始まったサウジ・グリーン・イニシアティブ(SGI)の一環として、サウジアラビア全土に100億本のマングローブの植樹が行われる予定だ。

海水に一部浸かって成長し、世界中の温暖な気候で繁茂する古代からの海浜植物であるマングローブは、沿岸環境開発の基礎と考えられているため、このイニシアティブの目的達成において重要な役割を担っている。

国立植生被覆・砂漠化防止センターの沿岸・海洋環境コンサルタントであるアフマッド・アルマンシ氏はアラブニュースに、紅海やアラビア湾の沿岸にマングローブが生育していることを話した。

「これは、同センターがこれらの環境でより多くのマングローブを育成する後押しとなります」と同氏は述べる。

同センターによると、紅海沿岸によく見られるマングローブには2種類ある。グレーまたは白マングローブと呼ばれるヒルギダマシと、ループルート、レッド、またはアジアマングローブと呼ばれるヤエヤマヒルギである。これらは寒さに非常に弱い。

「マングローブは紅海沿岸の潮間帯に点在する形で生育しており、北部地域では高さが低くなります」と同センターは述べる。「この高さの違いの理由は、冬に紅海の北部では茂みが低温にさらされるためと考えられます」

アスィールとジャザン地域に生育するマングローブのヒルギダマシ種は、サウジの海岸で見られる最大のものである、とセンターは話し、「同国のマングローブを含む紅海の海岸領域と区画は、推定面積約35,500ヘクタールに及びます」と述べた。

マングローブが環境や保護活動にとって重要であると考えられている理由はいくつかある。マングローブには水中の重金属などの汚染物質や有害物質を吸収する力があり、海藻やサンゴ礁の保護に役立つ。

また、陸上で発生した汚染物質が深海に到達するのを防ぐ、天然の汚水フィルターとしての役割も担う。他の熱帯樹木に比べて大気中の炭素を大量に吸収できるため、気候変動の影響緩和にも役立つ。

マングローブはまた、嵐や波による被害から防護し、浸食を防ぎ、海岸を安定させる、沿岸地域の防護の第一線となる「緑の防護壁」を形成する。

「この緑の防護壁は、風によって発生する波エネルギーの少なくとも70〜90%を吸収します」とアルマンシ氏は言う。「また、津波に伴う壊滅的な規模の波エネルギーを緩和することで、津波の強度を下げることができ、人命や財産の損失を軽減することができます」

さらに、マングローブは多くの魚類、甲殻類、鳥類の隠れ家や孵卵器として機能し、彼らに良い栄養源を提供する。その多数の群生が生態系の質を示す生物学的指標と考えられている、多くの種類の留鳥や渡り鳥に、巣や休息地を提供する。国立植生被覆・砂漠化防止センターは、一生のどこかでマングローブの生息地を利用する125の種を特定している。

陸上動物もマングローブの湿地から恩恵を受けている。紅海の島々ではラクダに牧草地を提供し、沿岸部では冬の間、ラクダに良質な栄養を与えている。

マングローブは、その環境への恩恵にも関わらず、都市化、侵食、過放牧、汚染、肥料や農薬の使用、廃棄物の不適切処理などにより、世界的に脅威にさらされている。観光産業の発展も大きな脅威だ。しかし、サウジアラビアでは、この貴重な天然資源を保護し、育成するための取り組みが行われている。

「センターでは、これらの環境を修復するために、長さ60cmの苗を使ってマングローブを植えています」とアルマンシ氏は述べ、ナイロンネットを使って一時的に若い苗を保護し、海藻や波による損傷を防ぎ、強い根の成長と安定を促進させていると付け加えた。

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