ワシントン:米国は木曜日、新たなイラン核合意に関して近く「合意に達する可能性がある」が、いくつかの難題が妨げになっており、残された時間は少ないと発表した。
イランによる原子爆弾の所持を防ぐために結ばれた2015年の核合意の再建に向け、ウィーンで行われている協議について、米国務省のジャリナ・ポーター副報道官は「大きな進展があった」と記者団に述べ、この数週間の各国と同様の見解を示した。
ポーター氏は「我々は合意の可能性に近づいているが、多くの難題が未解決のまま残されている」と述べた。
さらに、「残る問題を迅速に解決しなければ、合意は得られないだろう」と続けた。
しかし、「イランが誠意を表せば、数日以内に合意に達し、互いにJCPOAH(共同包括行動)に復帰することができるし、そうすべきだ」と、2015年の合意の略称を用いて述べた。
協議を仲介している欧州連合のエンリケ・モラ調整官も、協議は「最終段階」に入ったと述べた。
「重要課題がいくつか未解決のまま残されており、成功するとは限らない」とツイートし、「まだ全く決着はしていない」と付け加えた。
2015年に署名された所謂「共同包括行動」は、イランの核開発を厳しく制限し、その見返りにイランへの制裁を解除した。
本合意は、ドイツ、中国、米国、フランス、英国、ロシアの6カ国とイランとの間で結ばれた。
イスラエルの働きかけで2018年に米国のドナルド・トランプ前大統領が離脱したことで、合意は崩壊した。
国連の核監視機関IAEAは木曜日、イランの濃縮ウランの貯蔵量が、2015年の合意で定められた上限の15倍以上に達したと発表した。
イランが核開発を進めている現在の状況から、まもなく本合意が無意味になる可能性があると見て、欧米諸国は、今後数日間が重要であるとの見方を示している。
複数の観測筋によると、今週末までに妥協点を見出せなければ、欧米諸国は交渉を打ち切り、この合意を失敗と結論づける可能性がある。
問題点の一つとして、核物質があったと疑われる未申告の施設に対してIAEAが行っている調査の終了をテヘランが求めている。
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、該当施設に核物質があったかどうかをイランに明らかにさせるまで「決して諦めない」と述べている。土曜日にはイランを訪れ、同国の当局者と会合する予定だ。