2019年の台風19号による記録的豪雨災害から、12日で5年となった。関連死1人を含め11人が犠牲となった宮城県丸森町では追悼式が開かれ、遺族らが犠牲者の冥福を祈った。
同町では阿武隈川水系の内川や五福谷川などの堤防が決壊し、県内で最も多くの死者が出た。追悼式は午前10時から丸森まちづくりセンターで行われ、遺族4人を含む約60人が参列した。
保科郷雄町長は式辞で「5年が経過した今でも記憶は鮮明だ。将来にわたり安心安全な暮らしができる町を目指し、前を向いて歩み続ける」と誓った。
式典後、母を亡くした八巻辰雄さん(63)は「町で母に似た人を見掛けるとどうしても悔やまれる」と話した上で、「他の災害でも同じように亡くなる方がいて悲しい。災害からの避難は迅速にしないといけない」と語った。
台風19号は19年10月12日夜、伊豆半島に上陸し、関東や東北地方を縦断。各地に記録的大雨をもたらし、内閣府のまとめでは、福島、宮城両県を中心に、全国で90人以上の死者が出た。
時事通信