ソウル: 北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、ミサイル総局が10月31日に新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星19」の試射を行い、成功したと伝えた。北朝鮮は「火星19」をICBMの「最終完結版」だとしている。試射に立ち会った金正恩朝鮮労働党総書記は「われわれの覇権的地位が不可逆であると世界に示すことになった」と「大満足」を表明したという。
北朝鮮には、11月5日の米大統領選を前に、軍事力の進展を示すことで自らの存在感をアピールする狙いがありそうだ。正恩氏は、米国などを念頭に「意図的に地域情勢を激化させ、共和国(北朝鮮)の安全を脅かしてきた敵に、われわれの意志を示す適切な軍事活動だ」と強調した。
同通信によれば、ミサイルは約1000キロを約86分かけて飛行。最高高度は7687.5キロで、「戦略ミサイル能力の記録を更新した」という。日本海の公海上の目標水域に着弾し、「周辺国の安全にいかなる影響も与えなかった」と主張した。
韓国軍は北朝鮮が31日朝、ICBM1発を日本海に向け、高角度の「ロフテッド軌道」で発射したと発表。北朝鮮も直後に発射の事実を明らかにしていた。日本の防衛省によると、飛行時間86分、最高高度7000キロ以上はともに、これまでの記録を更新した。
時事通信