

世界第3位の経済大国がコロナウイルスへの対応でウイルス封じ込み策を実施する中、東京都民に社会的距離の実践を求める都知事の呼びかけが、漫画や音楽からビデオゲームまで、オンライン上の口コミで広がった多くのトリビュート作品にインスピレーションを与えた。
Twitterではプレイヤーが町をうろつきながら人の集まりを見つけて解散させるゲームのクリップが月曜に投稿され、数万回シェアされた。
そのクリップでは、スーツ姿の女性政治家が人々の一団に向かって走って(または飛んで)行き、手を振ってばらばらに跳ね飛ばす姿が見られる。
https://twitter.com/motulo/status/1252024209678745601?s=20
小池百合子都知事は感染者数の増加をより深刻に受け止めるよう、陣頭指揮をとって東京都民に呼びかけると共に、政府に対し非常事態宣言を強く求めてきた。政府は現在、全国に非常事態を宣言している。
彼女は首都の住民に対してほぼ毎日送っているメッセージの中で、他の人と密接することになる可能性がある場所を避けるように警告してきた。
それ以降、密閉・密集・密接を示す「密」という言葉がオンラインでトレンドになった。
クリエーターの投稿したゲームの動画が88,000回以上リツイートされ、わずか数時間で204,000回も「いいね」された。
このゲームを作った「motulo」というtwitter名のクリエーターは、コーネル大学で情報科学を専攻する博士課程の学生である。彼は小池による社会的距離の呼びかけを取り上げた別のゲームからインスピレーションを受け、Unityという名前のゲーム開発プラットフォーム上でこのゲームを生み出した。
YouTubeでは、毎日「密です」と社会的距離を呼びかけながら群衆の中を通り抜ける小池のオンラインゲームのクリップが、2日で20,000回以上閲覧された。
https://youtu.be/YvXzCgrqk08
このオンラインゲームではプレイヤーが小池となって一直線に歩きながら、「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」と叫ぶことで通り道に沿って群衆を排除し、ゲームの中でプレイヤーと他のキャラクターとの間の距離を確保する。
ゲーム内のライフはマスクで測られ、全てのマスクを失うと負けとなる。しかしプレイヤーは2枚のマスクを持って一瞬現れる安倍晋三首相に似たキャラクターからマスクを集めることで、利用可能なライフの数を増やすことができる。
また、小池による社会的距離のメッセージは別のTwitterユーザーによってリミックスされ、都知事の画像が浮かぶ背景をバックにクラブのビートに対して日本語で「密です」がループされた。
https://twitter.com/TokyoEDM/status/1251994631404785664?s=20
都知事は漫画のスターにもなった。ある漫画が描くマスク姿の小池は、「密」とささやくだけで人々の間に2メートルの距離を作り出すことのできる魔法の力を持つ。
日本のウイルス大流行は被害の大きいヨーロッパ諸国と比べまだ深刻にはなっていないが、感染者数に関しては中国とインドに続くアジア最多の国の1つであり、韓国とほぼ同程度である。
これまでに171人の死亡が記録され、感染者数は10,700人以上に上る。
安倍晋三首相は国民に他の人との接触を70~80%減らすように要請した。通常はすし詰め状態の東京の交通システムの利用者数は大幅に減っている。
しかしそれらの方策は人々の外出を防止できておらず、多くの店やレストランが未だに開店している。
with AFP