
北里大病院(相模原市)は28日までに、新型コロナウイルスに感染し肺炎を発症した妊娠中の女性が出産したと明らかにした。赤ちゃんに感染はなく、今月下旬に母子共に無事退院した。感染した妊婦の出産は国内初とみられるという。
女性は出産直前に感染が判明。妊娠38週だった今月初め、帝王切開で出産した。医療者は感染防護具を着けて臨んだ。
女性は出産後、感染に対応できる病室で治療を受けた後、PCR検査の結果が2回続けて陰性となり、退院した。赤ちゃんは出産直後から別室で過ごし、複数回の検査は全て陰性だった。
同病院の海野信也・周産母子成育医療センター長は「妊婦の重症化リスクは特別高くはないとみられている。出産前に赤ちゃんに感染することも少ないようだ。むやみに心配する必要はないが、感染しないよう気を付けてほしい」と話した。
海野氏によると、感染が確認されたり感染の恐れがあったりする妊婦について、設備の整った医療機関で出産を受け入れる仕組みづくりが各地で進みつつあるという。
時事通信社