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アビガン、40カ国超に無償供与=政府、治療薬開発で主導権狙う

日本国内でも、アビガンの承認に向けた治験は最終盤に入っている。(AFP)
日本国内でも、アビガンの承認に向けた治験は最終盤に入っている。(AFP)
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09 May 2020 01:05:10 GMT9
09 May 2020 01:05:10 GMT9

政府は8日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として期待される国産の抗インフルエンザ薬「アビガン」の対外無償供与第1弾として、エストニアに実施したと発表した。同日時点でベルギーやイランなど計44カ国に供与することで合意しており、最終的には80カ国程度を視野に入れる。日本としては無償供与を通じ、世界が注目する治療薬開発で主導権を確保したい考えだ。

茂木敏充外相は8日の記者会見で「アビガンには各国から高い関心が寄せられており、本日、エストニアに最初の供与を行った」と表明。さらにルクセンブルクなど4カ国を挙げ、近日中に供与する方針を示した。 

日本政府が無償供与に力を入れるのは、治験データの蓄積に生かしていち早く治療薬として認知させ、国際社会で存在感を示す思惑からだ。政府関係者は「新型コロナ以前の日常に戻すには特効薬が必要で、全世界が求めている。日本が担えれば大きな意義がある」と強調。安倍晋三首相は8日のトランプ米大統領との電話会談で、アビガンや米国製抗ウイルス薬「レムデシビル」に言及しつつ、治療薬開発での連携を確認した。

アビガンの供与は、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)を通じて行う。日本政府は政府開発援助(ODA)の枠組みで計100万ドル(約1億600万円)を拠出、手配や搬送はUNOPSが担う。1カ国当たり原則20人分、最大100人分を供与する予定だ。

ただ、アビガンには胎児に奇形が生じる副作用があるとされる。日本政府は供与相手国と個別に、事故が起きた際の日本の免責や治験データの日本への提供を明記した書簡を交わしている。

日本国内でも、アビガンの承認に向けた治験は最終盤に入っている。厚生労働省によると、供与先に提供された治験データも承認の判断根拠とすることが可能。日本政府としては、無償供与によって治験データを迅速に集めるとともに、治療薬として諸外国に広く認めさせる相乗効果を狙う。

JIJI Press

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