
韓国政府は日曜日、新規感染者数が1か月ぶりの高値を更新したことを受け、新型コロナウイルスの第2波への警戒を呼びかけた。当局がパンデミックに伴ういくつかの規制を緩和しはじめた直後のことだった。
「事態が完全に収束するまで気を緩めてはいけません」と、文在寅大統領は国民に語った。また今回の新しいクラスターの発生は、ウイルスがいつでも爆発的に広がりうる可能性があることを示していると述べ、年末の第2波を警戒するよう呼びかけた。
韓国疾病予防管理局(KCDC)は、4月9日以降もっとも多い34人の新たな感染を報告した。複数のナイトクラブを中心に小規模な集団発生が発覚したことを受け、首都近辺のすべての夜の歓楽施設を一時的に閉鎖するよう当局が要請していた。
死亡者数に変動は見られず、256人にとどまった。
朴寧湖保健相は、政府は今回のナイトクラブ事件の影響を調べた後、計画通り5月13日から学校を段階的に再開するかどうかを、2~3日中に決定すると述べた。
中国以外で最初の大規模なコロナウイルスの集団感染への対応を迫られた韓国は、広範な検査、積極的な接触者追跡、追跡アプリによって、ウイルスへの新規感染者とウイルスがひきおこす感染症COVID-19を大幅に減少することに成功した。これらの対応のおかげで、このアジア第4位の経済大国は、他の場所で見られるような大規模なロックダウンなしで、パンデミックに対処することができた。
ここ数週間で国内の新規感染者がまったく、あるいはほとんど確認されない日が続いており、毎日の集計は直近10日間で10人以下にとどまっていた。
今回の新たな集団感染は、政府が社会的な距離を保つための制限を一部緩和し、学校やビジネスを完全に再開するために準備をしていた最中に起こった。韓国は、極端に社会的距離を保つ方針から、「日常生活の中で距離を置く」方針に移行しようとしていた。
ムン氏は就任3周年を記念したテレビ演説の中で、「伝染病予防に関して、決して油断をしてはならない」と述べた。「このたたかいは長期戦です。日常生活を再開しても、状況が収まるまで安全対策とルールを遵守するようにお願いします」と述べた。
大統領は長期戦の一環として、KCDCにより大きな権限を与え、その強化された地位を反映するために疾病管理予防管理本部と改名する考えを示した。また同時に当局は、各地域に専門家を派遣すると述べた。
今回の再発は、20代後半の男性が先週検査で陽性となる前に訪問していたソウルの複数のナイトクラブを中心とした集団発生が主な原因となっている。
KCDCによれば、新たに国内で感染が確認された26件のうち、少なくとも24件については、同男性が感染源であることが特定されたという。これにより今回の集団発生と関連付けられた新規感染例は54件となる。
KCDCは、問題のクラブを訪れた約1900人の人々の行方を当局は追跡しており、最終的にその数は7000人に増加する可能性があるとしている。また先週それらの場所を訪れた人は、14日間の自主的な隔離と検査を受けるように求めている。
「今回の事件は、ウイルスは高い感染力をもつだけでなく、拡散のスピードがきわめて速いことを改めて示しています」とKCDCの鄭銀敬所長は会見で語った。「地域社会でのさらなる感染を食い止めるためには、一刻も早い対策が必要です」
ロイター通信