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発酵食品と新型コロナウイルス ―チーズを食べよう

京都大学高等研究院の副研究院長であり特別教授の本庶佑氏。(提供)
京都大学高等研究院の副研究院長であり特別教授の本庶佑氏。(提供)
京都大学高等研究院の副研究院長であり特別教授の本庶佑氏。(提供)
京都大学高等研究院の副研究院長であり特別教授の本庶佑氏。(提供)
京都大学高等研究院の副研究院長であり特別教授の本庶佑氏。(提供)
京都大学高等研究院の副研究院長であり特別教授の本庶佑氏。(提供)
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17 May 2020 03:05:57 GMT9
17 May 2020 03:05:57 GMT9

アンソニー・ローリー

チーズが新型コロナウイルスに対する武器になるって?そのような何でもない食品が世界的パンデミックとの戦いに効果があるとはばかげているようにも思えるが、しかし日本のノーベル賞免疫学者が、他の発酵食品とともにチーズは新型コロナとの闘いにおける戦士となり得るというのだ。

京都大学高等研究院の副研究院長であり特別教授である本庶佑氏は日本人であり、日本人は大豆から作る納豆や、菌が豊富な別の主要な国民食である味噌など、発酵食品の利点についてはよく理解している。

本庶教授はチーズ、特に発酵過程で化学変化を起こすチーズを、日本の伝統食とともに、新型コロナウイルスのような攻撃物質に対する守りの最前線である人の免疫システムの強化に役立つものとして挙げている。

日常食品は、アビガン(日本で開発)や米国ギリアド・サイエンシズ社製レムデシベルのような新型コロナ治療薬ほどの注目を浴びておらず、今後開発される可能性のあるワクチンのような脚光も浴びていないが、人の免疫システムは新型コロナとの戦いの鍵となる。

さらに言えば、本庶教授が日本外国特派員協会での最近の議論で指摘したように、「免疫療法」は研究により様々な癌の抑制や治療にも有効であることが証明されたという。10年ほどで癌を克服することも可能であると教授は考えている。

新型コロナのようなウイルスの撲滅方法の可能性として、免疫療法に注目が集まっていると本庶教授は示唆する。この療法の一端として、一風変わった最先端テクノロジーの適用だけでなく、健康的な食事や生活習慣も関連すると彼は言う。

日本人はこの点について話をするだけの説得力をもっている。日本では新型コロナの感染率は高いが(そして日本のパンデミック対応はIMFのある職員が述べたように「模範とはならない」ものの)、日本の感染者の死亡率は比較的低い。

ジョンズ・ホプキンズ大学が公表したデータによれば、日本の死亡率(死者数を感染者数で割ったもの)は4.2%であり、比べてフランスは15.2%、英国は14.4%、イタリアは14% 、スペインは13%、米国は6%であるという。

日本は3分の1以上が60歳以上であるという世界最速で高齢化が進む国のひとつであることを考えれば、これはなおさら注目に値する。新型コロナの患者では高齢者が最も重症化や死につながりやすい。

本庶教授を始めとする専門家たちはこの比較的低い死亡率の理由の一端として、多くの日本人は公衆の場で風邪やインフルエンザ予防のマスクを着用しようがしまいが「清潔」に注意を払っていること、手をよく洗うこと、ハグやキスや握手さえ避けることなどを挙げている。

しかしこれはまた、適切な食事、エクササイズ、睡眠などによる健全な免疫システムの維持も関係している。「適切」と言うに相応しいバランスのとれた食事には、十分な量の発酵食品が含まれていなければならないと日本人は考えており、多くの日本人はその通りの食習慣を実行している。

納豆(ある種「変わった」味がする)や味噌(通常は味噌汁として摂る)は日本では毎日摂取する食品だ。しかしニュージーランドの慈善団体であるNZ全国心臓財団によれば、発酵食品や発酵飲料はこのほかにも「何千」とあるという。

例を挙げれば、発酵乳、ヨーグルト、ワイン、ビール、サイダー、テンペ(日本で人気の発酵大豆から作られるインドネシア伝統製品)、味噌、キムチ、ザワークラウト、発酵ソーセージなどがある。リストは決してこれだけではない。まだチーズが含まれるからだ。

発酵チーズとしてよく知られるものには、様々なタイプのブルーチーズ、ゴートチーズ(シェヴレ)、ペコリーノロマーノ、カッテージチーズ、チェダーチーズ、フェタチーズ、モッツァレラチーズ、その他無数にある。中東料理には独自の多種多様な発酵食品がある。

本庶教授は、新型コロナを始めとする疾病への免疫システムを強化する薬草療法など他の治療法については勧めることはしていない。あるものを他のものよりも支持していると見られることを避けているのだろう。しかしエキナセアや高麗人参の売り上げは最近の日本で急増している。

京都大学高等研究院の副研究院長であり特別教授の本庶佑氏。(提供)

日本のノーベル賞免疫学者が、他の発酵食品とともにチーズが新型コロナに対する戦いの戦士として使えると述べている。

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