
北京:中国は日曜日、ピート・ヘグセス米国防長官がアジア諸国を脅威と呼んだことを非難し、ワシントンと北京の緊張がさらにエスカレートするなか、同氏が冷戦時代のメンタリティーを喧伝していると非難した。
外務省によれば、ヘグセス氏は前日、シャングリラ・ダイアローグ(世界安全保障会議)で北京を中傷した。声明はまた、米国がこの地域の紛争と対立を煽っていると非難した。
「ヘグセスは、この地域の国々が平和と発展を求める声を意図的に無視し、代わりにブロック対立を求める冷戦時代のメンタリティを喧伝した」
「覇権国家と呼ばれるに値する国は、アメリカ以外にはない」とし、ワシントンがアジア太平洋の平和と安定をも損なっていると主張した。
ヘグセス氏は土曜日にシンガポールで、国防総省が北京の脅威、特に台湾に対する攻撃的な姿勢に対抗するため、ワシントンは海外での防衛を強化すると述べた。
「中国軍は本番に備えてリハーサルをしている」とヘグセス氏は語った。「中国の脅威は本物だ。そして、それは差し迫ったものになりかねない」
中国側の声明は、台湾問題はすべて中国の内政問題であると強調し、「アメリカは決して火遊びをしてはならない」と述べた。また、ワシントンが南シナ海に攻撃的な兵器を配備し、「アジア太平洋に火種をまき、緊張を作り出している」、「この地域を火薬庫にしている」とも主張した。
在シンガポール中国大使館は土曜日のフェイスブックの投稿で、ヘグセス氏の演説は「挑発と扇動に満ちている」と述べた。
米中は先月、ドナルド・トランプ米大統領の関税を145%から30%に90日間削減することで合意し、双方の交渉担当者がより実質的な合意に達するための時間を作っていた。中国はまた、米国製品に対する課税を125%から10%に引き下げた。
しかし、貿易戦争の休戦が続くかどうかは不透明だ。トランプ大統領は金曜日のソーシャルメディアへの投稿で、貿易に関して中国とはもう「いい人」にはならないと述べ、北京が米国との不特定の合意を破ったと非難した。
米国が水曜日に、中国に留学している中国人学生のビザを剥奪し始めると発表したことで、緊張は新たにエスカレートした。
これとは別に、在シンガポール中国大使館は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、ウクライナを放棄する代償として中国との潜在的な対立に焦点を当てるのは危険なダブルスタンダードだと警告した後、台湾問題をウクライナ戦争と関連付けようとする試みを批判した。
同大使館は、シンガポールのフォーラムに出席したフランス大統領を写した写真を含むフェイスブックへの投稿の中で、マクロン大統領については言及しなかった。
「ダブルスタンダード を糾弾しようとしても、得られる唯一の結果はやはりダブルスタンダードだ」と同大使館は述べた。
中国は通常、国防相をシャングリ・ラ・フォーラムに派遣しているが、今回は人民解放軍国防大学の副学長である胡剛峰(フー・ガンフォン)空軍大将を団長とする下級代表団を派遣した。
AP