
https://youtu.be/17k9M1Vio6g
三菱重工業は21日午前2時31分、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給機「こうのとり」9号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターからH2Bロケット9号機で打ち上げた。こうのとりは約15分後にロケットから分離され、打ち上げは成功した。
2009年に初めて打ち上げられたH2Bロケットとこうのとりは今回が最終機。培われた技術は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発中の後継機「HTV―X」に引き継がれ、21年度にH3ロケットで初号機が打ち上げられる。
こうのとり9号機は、水や食料などの補給物資のほか、ISSの電力供給を支える日本製大型リチウムイオン電池を搭載。25日夜にISSのロボットアームにキャッチされ、26日午前にドッキング完了を予定している。
今回は民間利用拡大の一環として、スカパーJSATなどが日本実験棟「きぼう」で計画する双方向ライブ配信の機器なども搭載されている。
米スペースシャトルが11年に退役した後は、バッテリーなどの船外機器や、実験ラックなどの大型船内装置をISSに運ぶ唯一の手段として活躍した。任務を終えた機体は大気圏再突入で燃え尽きるが、18年の7号機では小型回収カプセルを搭載し、物資を持ち帰ることにも成功した。
HTV―Xは積載量をこうのとりの約6トンから約8トンに増やし、より大型の船外機器を搭載可能にするなど輸送能力を向上。ISSだけでなく、米国が構想している月周回ステーションへの輸送なども視野に入れている。
JAXAの山川宏理事長は打ち上げ後の記者会見で「こうのとりはISSの運用維持に欠くことのできない役割を担ってきた。蓄積した技術や経験を生かし、HTV―Xに引き継いでいく」と述べた。
JIJI Press