
京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、青葉真司容疑者(42)が殺人容疑などで逮捕された直後、「京アニに小説を盗まれたから火を付けた」という趣旨の供述をしたことが29日、捜査関係者への取材で分かった。
「多くの人が働いている第1スタジオを狙った」などと逮捕後に供述していたことも判明。京都府警は青葉容疑者が京アニに対し、強い恨みを募らせていたとみて、動機解明を急いでいる。
京アニなどによると、青葉容疑者は事件前、学校が舞台の「学園もの」など、複数の作品を同社の小説コンテストに応募していた。
ただ、作品に形式的な不備があったため、中身を審査する前に落選。同社側は「(制作したアニメなどが応募作と)似る余地はなかった」と、同容疑者が訴える「盗作」を全面否定している。
青葉容疑者は、昨年7月の事件直後に身柄を確保された時や、やけどの治療で入院中の同11月に行われた任意聴取の際も、「京アニに小説を盗まれた」などと話していた。
事件は昨年7月18日に発生し、著名アニメーターら36人が犠牲となった。青葉容疑者も全身に重いやけどを負い、10カ月間にわたり入院していたが、容体回復を受け、今月27日に府警が逮捕した。
同容疑者は「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」などと供述し、容疑を認めている。
JIJI Press