
政府は12日の閣議で、2020年の「環境・循環型社会・生物多様性白書」を決定した。近年、地球温暖化の影響とみられる災害が世界各地で相次いでいる状況を踏まえ、「もはや単なる『気候変動』ではなく、人類や全ての生き物の生存基盤を揺るがす『気候危機』」と強調。政府文書で「気候危機」という言葉を使うのは初めてで、環境省担当者は「危機的状況だと国民に理解してほしい」と話している。
小泉進次郎環境相は同日の閣議後記者会見で、「白書を契機として、環境省としてここに『気候危機宣言』をしたい」と述べた。環境相は「温暖化に伴って豪雨災害や猛暑のリスクがさらに高まることが指摘され、まさにわれわれは危機に直面している」と主張。他省庁をはじめとした関係者と危機感を共有し、温暖化対策の強化につなげる意向を示した。
白書は、温室効果ガスの削減や持続可能な社会の実現に向け、一人ひとりがライフスタイルを変える必要性を打ち出した。
具体的には再生可能エネルギーで発電された電気の購入や衣服のリサイクル、自然の豊かなリゾート地などで働く「ワーケーション」への取り組みを通じ、環境保全と経済活性化の両方につなげることを提案した。
JIJI Press