東京：東京2020大会の森喜朗会長の性差別発言をめぐり、金曜日、批判が高まった。会長は「女性とはあまり話をしない」と説明して辞任を拒否、自らの発言を正当化した。

森氏（83歳）は、女性は会議での話しが長いと主張したことについて謝罪し、国際オリンピック委員会は現在、この問題は「解決した」と考えていると述べた。

しかし東京では、東京都知事がこの発言に「絶句」したと語り、日本のオリンピック委員会会長は「大会の精神に違反している」と述べ、議論は荒れている。

オリンピックメダリストや日本のスポーツ関係者、地元のボランティアも、失言の多い元首相の発言を揃って非難した。

「私自身も絶句いたしましたし、あってはならない発言だったと思っております」と、共同通信社は小池百合子東京都知事の発言を引用した。

「大会を安全安心に進めるのが都や組織委のミッションであり、大きな事態に直面している」と、日本の数少ない著名な女性政治家の1人である小池氏は付け加えた。

JOCの山下泰裕会長は、コメントは「不適切な」であり「オリンピックとパラリンピックの精神に反する」と述べたが、森氏の辞任を求めているわけではないと付け加えた、と地元メディアが伝えた。

森氏は木曜日、発言を撤回したいと述べたが、選手の間からも森氏の謝罪は不十分だったとの声が出ている。

「一度外に出てしまった言動を撤回することは限りなく無意味」と、日本で初めてゲイであることを公表したプロアスリートでサッカー選手の下山田志帆がツイートした。

「偏見を認めた上で対策を考えなければ同じことが起こると思うんです」と彼女は書き込んだ。

2012年のロンドンオリンピックで2個の銀メダルと銅メダル1個を獲得した水泳選手の鈴木聡美は、発言には「怒りもある」と述べた。

オリンピックに6度出場し、国際オリンピック委員会アスリート委員会の委員を務める元カナダ代表アイスホッケー選手ヘイリー・ウィッケンハイザー氏など、国際的なアスリートも発言を標的にした。

「この男を朝食のビュッフェ会場で絶対に追い詰める。東京で会いましょう#oldboysclub」と彼女はツイートした。

地元メディアによると、東京都には今夏の大会への参加を希望するボランティアから多数の苦情が寄せられているという。

毎日新聞は、「責任を取らずに、責任を転嫁しているような気がする」と話し、ボランティアを止めることを検討しているという54歳のボランティアの言葉を引用した。

森氏は、謝罪し、発言を撤回したいと述べ、木曜日の会見を始めたが、質問を受けると守りの姿勢に入り、「女性が長々と話すという苦情を聞いたことがある」と主張した。

「そういう話はよく聞きます」と、森氏は主張した。

「最近はあまり女性と話していないのでわかりません」。

騒動になっているにも関わらず、IOC は木曜日、森氏の謝罪により「問題は解決したと考えている」と述べた。

今回の騒動は、日本人の80%以上が今夏の大会開催に反対していることが世論調査で明らかになり、大会に関する世間の懸念と既に闘っている主催者にとって、また新たな頭痛の種となっている。

物議を醸す発言の歴史を持つ森氏は、今週これまでに「コロナウイルス（パンデミック）がいかに展開しようとも」、大会はこの夏に開催されると主張して既に波紋を呼んでいた。

様々な国際指標で上位にランクされている一方で、日本は男女平等の推進では常に後れを取っており、世界経済フォーラムの2020年の世界の男女の格差に関する報告書では、調査対象153ヶ国中121位となっている。

日本政府に対し女性に対する態度の改善を求めてきたヒューマン・ライツ・ウォッチは、「日本における性差別の金メダル」と題した声明の中で、森氏の発言を批判した。

「森氏の発言は、日本政府が女性に対する態度を早急に改革する必要があることを示しており、スポーツから改革を始めるのが良いかもしれません」と、同団体は木曜日に発表した声明の中で述べた。

AFP通信