
アラブニュース ジャパン
日本の検察は、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告が、27歳の娘マヤ・ゴーン氏と東京で最後の時間を過ごしたという証拠を収集した。
検察によると、父娘はカルロス・ゴーン被告が日本から脱出したその当日、娘が元米陸軍特殊部隊のマイケル・テイラー容疑者の息子であるピーター・テイラー容疑者が滞在していたホテルに荷物を届ける前に、一緒に昼食をとっていたという。
ゴーン被告は1月の記者会見で、子供や妻からの援助を受けていないことを強調した。
しかし、東京地検特捜部に提出されたゴーン被告の運転手の供述によると、ゴーン被告が日本から逃亡したその当日、父娘はゴーン被告の自宅に行き、トヨタの車両に少なくとも5つのスーツケースを積み込んだという。
日本の当局によると、ゴーン容疑者の運転手の説明では、ゴーン被告の娘はその後、ピーター・テイラー容疑者が滞在していたグランド・ハイアット東京まで車で送ってほしいと頼まれたという。娘は、アメリカに飛び立ちたいと思っているが荷物が重量制限を超えていたため、「知人」のところに荷物を下ろしたいと伝えたという。
検察側の文書に含まれている防犯カメラの画像には、マヤ・ゴーン氏とピーター・テイラー容疑者がホテルの駐車場で握手をして一緒に立っている姿が映っていた。この資料によると、テイラー容疑者はゴーン被告の運転手が運んだ2つのスーツケースを受け取った。その後、マヤ・ゴーン氏はアメリカ行きの飛行機に乗るために羽田空港まで車で移動したという。
検察によると、このやりとりの中で、カルロス・ゴーン被告はグランド・ハイアット東京まで歩いて行き、テイラー夫妻や元レバノン軍人のジョージ・ザイエク容疑者と会ったという。
その後、2人はゴーン氏の自宅からスーツケース2つを持って電車で大阪に向かった。ピーター・テイラー容疑者は成田空港に行き、他のスーツケース2個を持って中国に飛んだと、資料には記載されている。
ザイエク容疑者とマイケル・テイラー容疑者は12月29日、チャーター機で関西に到着した。目撃者の証言によると、テイラー容疑者は空港の職員に「大阪からコンサートをするために来たバイオリニストだ」と説明したという。
また、テイラー容疑者は従業員の1人に日本円で約100万円(1万ドル)のチップを渡していたという。資料によると、従業員らはこの大金を受け取ることが適切かどうかを話し合い、返却することにしたという。
検察によると、従業員もテイラー容疑者とザイエク容疑者が持っていた大きな黒い箱に懐疑的だったものの、誰も警報を発しなかったという。朝、飛行機が着陸した際には、箱を持ち上げるのに2人がかりだったが、夜に飛行機に乗る準備をしていた時には、同じ箱を持ち上げるのに少なくとも4人が必要だったという。
資料には、テイラー容疑者とザイエク容疑者がチャーター機のターミナルを最小限の検査で通過できるよう手配したため、黒い箱はX線検査を受けていなかったと記載されていた。