
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(66)が役員報酬を隠したとされる事件で、東京地裁(下津健司裁判長)は30日、ゴーン被告の元側近で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)罪に問われた元代表取締役グレッグ・ケリー被告(63)と、法人としての日産の初公判期日を9月15日に指定した。関係者への取材で分かった。
関係者によると、ケリー被告は無罪を主張する方針で、日産は罪を認めるとみられる。公判には西川広人前社長(66)も証人出廷する見通し。
ケリー被告と日産の初公判は当初、ゴーン被告と共に4月に行われる方向で調整が進んでいた。昨年末に同被告が中東レバノンに逃亡して立ち消えになり、その後、5月に開かれる可能性も出たが、新型コロナウイルスの感染拡大で先延ばしになっていた。
起訴状によると、ケリー被告は、ゴーン被告と共謀し、2010~17年度の同被告の報酬総額を実際より約91億円少なく見せ掛け、有価証券報告書に虚偽記載したとされる。法人としての日産は両罰規定に基づいて起訴された。
JIJI Press