
経団連は9日、2030年までに実現を目指す施策を盛り込んだ新たな成長戦略を発表した。持続可能な経済の確立に向け、デジタル化の推進や、技術革新を通じて気候変動対策と経済成長を同時に実現する「グリーン成長」などを柱に据えた。政府の成長戦略への反映を目指す。
中西宏明会長は同日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症を契機に「地球の持続可能性に対する根本的な問い掛けが出てきた」と指摘。企業も気候変動問題など社会的課題への取り組みを重視しないと「存続できない」と強調した。
新戦略は、行政、医療、教育などあらゆる分野でデジタル化を進め、新たな成長を実現する方針を提示。また、多様な人材の活躍を促す観点から、企業の女性役員比率を30%以上にする目標を掲げた。
菅義偉首相が表明した50年までの「温室効果ガス排出実質ゼロ」目標に関しては、革新技術の開発・普及を国家プロジェクトと位置付け、「長期かつ大規模の国費投入」を行うよう要請。再生可能エネルギーへの支援重点化や新型原子炉の建設着手などの必要性も訴えた。
JIJI Press