
東京大とフランス国立科学研究センターの研究チームは24日までに、新型コロナウイルスに感染しているか、自分で簡単に検査できる紙製センサーの試作品を来年3月をめどに開発する方針を明らかにした。唾液を紙のセンサーに垂らし、スマートフォンで撮影するだけで、ウイルスの有無を判定できる製品の実現を目指している。
東大生産技術研究所の南豪准教授は「紙を使うことで安価になり、使い捨てにできる」と話している。
仏側は、新型コロナウイルスのリボ核酸(RNA)に結合すると光るビーズ(微小粒子)を開発する。ビーズの表面はウイルスのRNAだけに結合するDNAで覆っておく。1種類だけだと偽陽性や偽陰性が生じる可能性が高まるので、RNAとDNAの配列の組み合わせや光り方が違うビーズを工夫し、幾つかの種類を用意する。
一方、東大側は、これらのビーズを紙に印刷するようにして配置する。この紙のセンサーに垂らした唾液にウイルスが含まれていた場合、多数のビーズがさまざまに光るため、スマートフォンで撮影して画像処理すると、感染を判定できる仕組み。
JIJI Press