
菅義偉首相は4日、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受けた国連の特別総会にビデオメッセージを寄せ、国際社会の連帯を呼び掛けた。「私たちは『分断された世界』でなく、危機を乗り越えるべく『団結した世界』を実現しなければならない」と主張。世界保健機関(WHO)のコロナ対応の検証や、それを踏まえた改革に協力する方針を表明した。
首相は、新型コロナワクチンの国際的な調達の枠組み「COVAX」など多国間協力を重視する姿勢を強調。将来の危機に備え、アジアやアフリカの医療施設の整備と保健医療システムの基盤強化に貢献していく考えを伝えた。
また、世界経済回復へ決意を表明。5000億円規模の緊急円借款を含む日本の途上国支援策を紹介した。デジタル化や脱炭素社会の実現、自由貿易体制の強化を挙げ、「持続可能な経済成長に向けた取り組みを主導する」と訴えた。
特別総会は米東部時間の3~4日に開催。感染拡大を受け、各国の対応の評価や多国間協力について協議するため6月に実施が決まった。
JIJI Press