
【ロンドン時事】世界各国で語学教育事業を展開するEFエデュケーション・ファースト(本社スイス)が発表した2019年版の「EF英語能力指数」によると、日本人の英語力は非英語圏の100カ国・地域の中で53位となった。前年の49位から低下した。大学入学共通テストの民間試験導入見送りで日本の英語教育現場が揺れる中、厳しい結果を突き付けられた。
1位はオランダだった。2位スウェーデン、3位ノルウェーと続き、欧州勢が上位を占めた。日本は、アジアの中でシンガポールやフィリピンだけでなく、韓国(37位)や台湾(38位)、中国(40位)などにも後れを取った。
世界全体の平均も日本は下回った。英語力の評価は5段階で下から2番目の「低い」で、ロシアやベトナム、イランなどと同じ分類だった。
調査対象の中で最下位はリビア。キルギス、サウジアラビア、イラクも下位に沈んだ。
EFは報告書で「急速に社会の高齢化が進む中、経験豊富な労働者が生産性を維持するためには英語を含む成人向けの再教育が必要だ」と指摘。
「経済の停滞にもかかわらず英語力が近年低下している日本では特に当てはまる」と述べた。
世界全体で見ると、男女別では女性の方がわずかに英語力が高かった。年代別では26~30歳が最も高く、次いで21~25歳、18~20歳、31~40歳、41歳以上の順に続いた。指数はEFが世界各地で実施した230万人分の試験結果を基に算出した。
◇英語力ランキング上位10カ国・地域
1 オランダ
2 スウェーデン
3 ノルウェー
4 デンマーク
5 シンガポール
6 南アフリカ
7 フィンランド
8 オーストリア
9 ルクセンブルク
10 ドイツ
(注)EFエデュケーション・ファースト調べ。非英語圏が対象
JIJI Press