
東京:ジェンダーの平等を求める日本の活動家らは、東京オリンピック組織委員会が金曜日、性差別騒動を受けた大会の新たな会長の選任を巡って突然白紙化したことを歓迎しながらも、より抜本的な改革が必要だと警鐘を鳴らした。
大会組織委員会は、83歳の森喜朗氏の後任に84歳の川淵三郎氏を選任する予定と報じられてきた。森氏は、女性は会議での話が長すぎるとした自身の主張に非難が高まったことを受けて辞任した。
しかし、金曜日の報道は、組織委員会がこれから後任探しを始めることになると報じ、候補の1人として橋本聖子オリンピック担当大臣(日本の内閣に2人しかいない女性のうちの1人)の名前が挙がっているという。
活動家らは、白紙化を非常に歓迎したものの、全面的な大改革でなければ本当の変化はもたらされないと警鐘を鳴らした。
「これは確かに、組織委員会が我々の声に耳を傾けており、我々の主張を認識していることを示しています」と、ジェンダー平等活動団体Voice Up Japan設立者の山本和奈はAFPに語った。
「とはいえ、本当は明日、数日後に何が起こるかにかかっています…誰を選び、またどのように選任するか次第です」。
日本のメディアは、森氏が川淵氏を後継者に指名し、自身もアドバイザーとしての役職に引き続き残る予定だと報じた。
「組織委員会や政府が、後任として選ばれる人をなぜ選んだのかを国民に説明することが重要だ」と、日本のジェンダー問題のエッセイストでコメンテーターの小島慶子氏が語った。
「理由を説明せずに単に誰かを選任するだけでは、現状では、国民は受け入れないでしょう」。
女性の性的権利とリプロダクティブ・ライツを求める活動家の福田和子氏は、川淵氏が選ばれそうになった過程は「女性は意思決定に関与しない」という日本の文化の典型だったと述べた。
「重要なことは昼間の公式な会議では決まらず、夜の仕事の後に決まるのです」と彼女は述べた。
「意志決定は昼間の公式な場所で行われるべきなのに、そうではなく、承認されるだけです。そこで女性が声を上げれば、面倒だ、うるさい人だとレッテルを貼られてしまうのです」。
「そのような文化が、女性の活躍を阻む一つの壁になっているのです」。
森氏の発言は日本で激しい反発を呼び、同氏の辞任を求める嘆願にはわずか2日間で11万人以上の署名が集まった。スポンサー、アスリート、政治家は、揃って元首相を非難した。
国際オリンピック委員会は、森氏が謝罪したことを受けて問題は解決したと考えていると発表したが、批判が高まるにつれ、最終的には同氏の発言を「完全に不適切」とした。
活動家らは、世界経済フォーラムの世界男女格差指数2020で、調査対象の153カ国中121位に位置付けられている日本での草の根の反応に勇気づけられている。
しかし、彼らは、東京2020大会の組織委員会の35人の役員の中に女性が7人しかいないという事実を指摘しながら、やるべき課題はまだまだあると話す。
「彼が辞任したから、物事が変わったという単純な話ではありません」と、福田氏は述べた。
「ゼロ・トレランス・ポリシーを掲げたり、反差別を掲げたり、女性役員数を増やしたりといった具体的な計画がなければ、本当の意味での変化はないと思います」。
オリンピックのプログラムの一環として正式に認められたLGBTQの人々のためのコミュニティハブであるプライドハウス東京は、組織委員会に対して差別的発言の再発を防止する具体的措置を講じるよう求めた公開書簡を今週公開した。
プロジェクトのチーフである松中権氏は、オリンピックの組織委員会は森氏の交代だけを考えるのではなく、真の改革にも取り組まなければならないと考えている。
「森氏は辞めるべきだと言うのは簡単ですが、そうなったら、それで終わりです」と、同氏はAFP通信に語った。
「何も変わらないでしょう。だから私たちは公開書簡を公開したのです。行動を起こしてもらいたいからです」。
男性優位の文化は日本にあまりにも「深く根付いている」ため、森氏に近い人たちは「何も間違ったことはないと考え、彼を止めるために何もしなかったのです」と、松中氏は述べた。
「日本の社会が男性中心であるということは、多くの人が苦しんでいるということであり、彼らはそれに気付いていないのです。このような考え方を我々は変えたいのです」。
AFP通信