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コロナ後の近代化を目指す埼玉県知事

最近行われたズームインタビューでの大野元裕埼玉県知事のスクリーンショット。(ANJP)
最近行われたズームインタビューでの大野元裕埼玉県知事のスクリーンショット。(ANJP)
最近行われたズームインタビューでの大野元裕埼玉県知事のスクリーンショット(上)。 アラブニュース・ジャパンのカルドン・アズハリ(右下)と編集部の成田輝代。 (ANJP)
最近行われたズームインタビューでの大野元裕埼玉県知事のスクリーンショット(上)。 アラブニュース・ジャパンのカルドン・アズハリ(右下)と編集部の成田輝代。 (ANJP)
埼玉県は東京に次ぐ第2の都市です。(ANJP)
埼玉県は東京に次ぐ第2の都市です。(ANJP)
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28 May 2021 01:05:19 GMT9
28 May 2021 01:05:19 GMT9

カルドン・アズハリ
 
東京:埼玉県は今年誕生150周年を迎える東京に次ぐ第二の都市であり、2020年五輪・パラリンピック開催地の一つである。大野元裕知事は、新型コロナウイルス感染症を抑えることが現在の最も重要な目標だと述べた。
 
東京北部に隣接する埼玉県にとってスポーツはDNAの一部であり、五輪を待ち望んでいる。サッカーは埼玉で最も人気のあるスポーツの一つで、2002年にFIFAワールドカップ、2019年にはラグビーワールドカップの試合も開催された。
 
大野氏はアラブニュース・ジャパンのオンラインインタビューで「五輪を前に自転車、水泳などのスポーツに多くのアスリートが参加している」と述べた。 「アラブ諸国の人々を歓迎することを楽しみにしている。五輪選手であるヨルダンのハヤー王女は時々乗馬のために来日されている」
 
大野氏の父親は、五輪の競泳自由形の選手で日本記録保持者であるが、彼自身は別の道を歩んでおり、「私はいつも政治の強い流れの中を泳いでいる」と話した。
 
五輪中止の可能性については「その決定はIOC(国際オリンピック委員会)、JOC(日本オリンピック委員会)、日本政府、開催都市である東京都の手にかかっている。しかしIOCとJOCが開催を決めたなら、私たちは共同開催都市として人々の安全をきちんと確保しなければならない」と語った。
 
「五輪開催の場合、ホスト国としてコロナを克服する未来を描きつつ開催するのでなくてはならない。五輪を通じ、私たちは五輪精神の下で共に生きていることを確認できる。五輪は人類にとって意味のある挑戦だからだ。もちろん開催したいと思う」と語った。
 
隣接する東京の感染率が高いが、埼玉県は来日する人々をどのように歓迎するのだろうか。
 
「無論、私たちはコロナを抑制し、人々を制限しなければならないし、時には励まし、時には落胆させるかもしれない。しかし、これが私たちのすべきことである」と知事は語った。「綱引きのようなもので、時には引っ張り、時には緩める。いずれにせよ、東京が私たちの隣にあるという現実は変わらない。したがって、我々は東京といくつかの分野で協力しなければならない」
 
大野氏は、「今は制限の時であるが、制限が終われば人々を励ましていくべきだ。しかしアフターコロナの世界は同じではないだろう。したがって、私たちはデジタルトランスフォーメーションを通じた社会の変化を促進しなければならない。仕事のやり方、人々との協力や交流の方法を変える必要があります。これが、デジタル機器を通じて私たちが行っていることだ。アフターコロナの世界を楽しみにしている」
 
大野氏は埼玉県が直面している課題について「まず、埼玉県は変わりつつあるということだ。現在はおそらく人口のピークで、数年後には減少し始めるだろう。高齢者が増加しており、日本で最も多くなる、つまりは世界で最も多くなるだろう。今まで人類が経験したことのない課題に直面しているのである。私たちはデジタル時代の未来を見据え、高齢者をそのような世界に取り込む試みを行っている。また、空き家が増え、建物などを建て直さなければならないため、インフラについても考えなければならない。社会を立て直す必要がある」と述べた。
 
大野氏は,日本経済にとっての県の重要性を強調した。「第一に日本の社会、経済は非常に集中している。首都圏の東京、埼玉、千葉、神奈川でGDPの40%を占めており、埼玉県の企業の99%は大企業を直接支援している中小企業である。例えばホンダが埼玉県にあるのは、おそらく約1000社の中小企業がホンダを支援しているからである。これは非常に良い点だ」
 
「第二に埼玉県は交通の便が良く、日本で一番便利な県だ。ご存知のように、東海道新幹線以外の新幹線はすべて埼玉を通過する。高速道路は首都圏の半分以上が埼玉県を通過する。そのため、より良い経済と交通のため好条件を保つ必要がある。そうでなければ、ホンダのような大企業は生き残れない」
 
大野氏は日本でも著名なアラブ専門家として知られており、埼玉県や市がアラブの国と姉妹都市関係を結ぶことを望んでいる。
 
「私たちはオハイオ州、中国山西省、ドイツやメキシコの都市等と30年間姉妹関係を結んでおり、アラブ諸国との架け橋になる準備は整っている」と述べた。 「私はエジプトに留学し、アラブ首長国連邦とヨルダンで外交官として働き、困難な時期のシリアにもいたことがある。アラブ諸国の人々は日本人にとても友好的だった。日本とアラブ諸国のかけ橋となることをとても誇りに思う」

大野氏にはコロナの抑制とは別の重要な任務がある。「私はデジタルトランスフォーメーションを行っている」と彼は言う。「知事に任命された後、まず執務室から紙を追い出すことから着手した。多くのノートパソコンやテレワーク通信機器がある中、紙を排除することはデジタルトランスフォーメーションの第一歩だ」と話した。
 
しかし、彼は執務室にファックスがあることを認めた。「でも絶対に使わない」と言う。日本の河野太郎行政改革相は、日本をデジタル化するための政策でFAXの廃止を望んでおり、大野氏もこれに賛成している。
 
埼玉県は日本で最も魅力的な県とはいえず、一部の調査では最も魅力が低い県というレッテルを貼られている。大野氏はそれについて言いたいことがある。
 
「すべては物事の見方次第だ。もし私が泳ぎたいのであれば、埼玉を選ばず、沖縄に行くだろう。しかし昨年は、国内で最大の人口増加と変化が埼玉県に向かって起きた」と大野氏は誇らしげに語った。
 
「コロナの影響でリモートワークの流れが起きたため、関東では埼玉だけが東京の人々を惹きつけているようだ。リモートとはいえ、まだ日本の首都の近くにいたい人々が埼玉県で家を買い始めた。我が県は自然災害に対し非常に強い。これも人々が埼玉県を選ぶもう一つのポイントだ。また申し上げたように、交通のハブでもある。これらが3つの非常に良い点だ。また、この10年間、埼玉県は大企業が本社を置いた第1位の県である」

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