
厚生労働省は2日、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた医療従事者の60代女性が接種3日後に死亡したと発表した。接種後の死亡報告は初めて。厚労省によると、死因はくも膜下出血と推定される。接種との因果関係について、報告した医療機関は「評価不能」としている。
厚労省によると、女性は2月26日に米製薬大手ファイザー製ワクチンの接種を受け、1日に死亡。接種直後の異変の報告はなく、基礎疾患もなかった。同社製ワクチンの接種と、くも膜下出血発症の関連について海外での報告はないという。
ワクチンの副反応を評価する厚労省の専門部会長を務める森尾友宏・東京医科歯科大教授は「くも膜下出血は40~60代に比較的起こりやすい疾患。偶発的な事例かもしれないが、さらに情報を収集し、今後の審議会で評価する必要がある」との見方を示した。
同省はワクチンの安全性評価のため、副反応の疑いがあるケースについて報告制度を設けている。幅広い事例を集めるため、接種と関連がないものも含まれる可能性がある。
ワクチンは2月17日、医療従事者約4万人を対象に先行接種が始まった。1日時点で約3万2000人が接種を受け、今回の女性を除く3人について副反応が疑われる症状が報告されたことが明らかになっている。
JIJI Press