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抗議運動から1年迎えるレバノン

レバノン政府に抗してほむらを燃やしスローガンを唱和する反政府活動のデモ隊ら。2019年11月3日、レバノン・ベイルート。(資料/AP)
レバノン政府に抗してほむらを燃やしスローガンを唱和する反政府活動のデモ隊ら。2019年11月3日、レバノン・ベイルート。(資料/AP)
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17 Oct 2020 11:10:38 GMT9
17 Oct 2020 11:10:38 GMT9
  • デモ活動開始から首相は3人辞任
  • デモ隊はベイルート市内の抗議活動の本丸からベイルート港までの行進を計画

【ベイルート】17日、レバノンで宗派主義打倒を掲げる抗議運動が1周年を迎える。政治エリートらを揺さぶりはしたが、目標とする抜本的な改革にはいまだいたっていない。

運動が始まってから3人の首相が辞任しているものの、1975年から90年までの内戦で武勲を立てた者がその多くを占める有力者らは、国内外から変革の圧力がかかっても依然としてその権力基盤は磐石なままだ。

デモ隊は本拠とするベイルート市内の陣営からベイルート港までの行進を計画する。ベイルート港は8月4日に起きた壊滅的な爆発事故の現場であり、世襲エリートの不正疑惑や無能ぶりの責任が広く問われている。

現地では午後6時7分(グリニッジ標準時15時7分)にグラウンドゼロの近くでろうそくを灯しながらの集会が予定される。ちょうどこの時刻に、貯蔵されていた大量の肥料用硝酸アンモニウムが爆発を起こした。この結果200人以上が亡くなり、首都ベイルートもずたずたに破壊された。

活動家らは10月17日の「革命」記念日の印として、同現場に像を設置している。

デモ隊の中ではよく知られた一人だが名はメリッサとしか明かしていないある女性は、「政界にいる指導者たちに正統性があるとは私たちはいまも思っていません」と語る。

メリッサさん(42)はなお言う。「路上でのデモはまだ終わりません――腐敗した政府と対峙するための結束は続いています」

昨年始まった抗議運動は、政府がメッセンジャーアプリWhatsAppでの通話に課税する動きを見せたことが直接のきっかけだった。が、抗議活動は瞬く間に全国的な運動へとふくれ上がった。そこでは、腐敗と無能を利してきたとするレバノン特有の宗派主義的権力分有体制を終わらせることが訴えられた。

内戦以来最も深刻な景気低迷がレバノンを襲い、失業率の増大や貧困、飢餓を招来した。活動家の多くも、よりよい機会を求めて国外へと出ることを余儀なくされている。

2月以降コロナ禍が爆発的に急拡大し、集会禁止の流れとなった。デモ隊が街頭に出なくなったからといって市民の怒りが消えたわけではない。むしろ増大した。

ベイルート港の爆発事故は、抗議運動の転機となった。国家が空白状態となったとみてその穴を埋めるために、もてるエネルギーの大半を救援活動に注いだのだ。

抗議運動やその支持者らは、新型コロナウイルスによって運動の大義が霧散したわけではないことを懸命に示そうとしているのだ。

レバノンのフランス語日刊紙『ロリヤン=ル・ジュール(L’Orient-Le Jour)』は主見出しに「サウラ2年目」と掲げた。サウラとはアラビア語で「革命」を意味する(Thawra, ثورة)。たいていのレバノン人にとっては今回の抗議運動の代名詞となっている。

昨年あった最も活発な抗議活動のいくつかは北部の都市トリポリで見られた。ここでは活動家らが16日夜に集結しはじめている。

「われらが革命に敬礼だ。革命はまだ終わっていないし、われわれの要求が通るまで果てることはないと信じる」。そう語るのはデモ隊のターハー・ラトル(Taha Ratl, طه رطل)さん(37)だ。

「連中には一人残らず去ってほしい」

AFP

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