
菅義偉首相は4日のフジテレビ番組で、米ワシントンで16日に予定する日米首脳会談で議題となる見通しの台湾問題について「日米で連携し、抑止力を維持する中で平和的に台湾・中国で解決できる環境をつくっていくことが大事だ」と指摘した。また、台湾をめぐる情勢は「日本にとって重要だ」と強調した。
米バイデン政権内では、中国が台湾に侵攻する台湾有事への懸念が高まっている。首相は台湾有事が安全保障関連法で規定する「存立危機事態」に該当するか問われ、「仮定のことに私の立場で今答えることは控えたい」と明言を避けた。日本の存立が脅かされる同事態の認定は、集団的自衛権行使を可能にする前提条件の一つ。
ウイグル問題に関する米欧の対中制裁に日本も歩調を合わせるかどうかについて、首相は「自由、基本的人権、ルールに基づいた対応を中国にも国際社会の中で守ってもらう」と述べるにとどめた。人権侵害に関わった人物や団体に制裁を科す日本版マグニツキー法制定の必要性については「全体を見ながら検討していきたい」と語った。
日米首脳会談では気候変動問題での連携も確認する方向。首相はバイデン大統領が4月下旬に主催し、中国の習近平国家主席らも招待された気候変動の首脳会議に触れ、「(会議を)けん引できるような(日米首脳)会談にしたい」と意欲を示した。
JIJI Press