
日本政府はミャンマー当局に対し、ヤンゴン市内の刑務所に拘留されている日本人ジャーナリストの解放を要請している。軍事政権がクーデターに反対するデモを弾圧した際、逮捕されたジャーナリストは少なくとも65名にのぼる。
ミャンマー国軍は、市民の抗議活動を弾圧する動きを強めている。民主化指導者アウンサンスーチー国家顧問の権力はく奪に抗議する大規模デモが発生し、少なくとも737名の市民が殺害され、報道各社に対する弾圧が強まっている。
フリージャーナリストの北角裕樹さんは18日に身柄を拘束された。在ミャンマー日本大使館の報道官によると、一夜にして留置所からインセイン刑務所に身柄を移送されたことが確認されたという。
北角さんはまだ起訴されておらず、日本大使館は獄中の北角さんへの面会許可を求めているところだと、報道官が19日にAFP通信に対し語った。
インセイン刑務所は政治犯を収容する刑務所としてよく知られている。
「日本政府はミャンマー政府に対し、北角さんの早期釈放を求めている。日本国民の安全を守るため全力を尽くす」と加藤勝信官房長官が記者会見で述べた。
「日本大使館では、北角さんが逮捕・拘禁された理由の詳細について調べている」
北角さんが身柄を拘束されるのはクーデター発生以降2度目となる。
今年2月にはデモ隊への取り締まりを取材中に、殴打され一時拘束されたがすぐに釈放された。
ミャンマー国軍が情報統制を強め、インターネット接続を制限し、現地メディア5社から免許をはく奪しようとするなか、報道各社が軍事政権による弾圧の対象となっている。
人権NGO「Reporting ASEAN」によると、ミャンマー全土で少なくとも34名のジャーナリストやカメラマンが身柄を拘束されているという。
現地の人権NPO「ビルマ政治囚支援協会(AAPP)」によると、カチン州のメディア「ミッチーナー・ニュース・ジャーナル」の記者3名が身柄を拘束され尋問所に拘留されているという。
「こういった尋問所では、抑留者たちが脅しや過酷な拷問を受け、署名や自白を強要されている」とAAPPが19日に発表した。
AFP通信