
東京: 12日、日本が東京五輪開催前に五輪選手へのワクチン接種を計画していると国内メディアが報じた。国内ではワクチン接種の展開の遅れにより政府へのプレッシャーが高まるなか、一般国民よりも五輪選手のワクチン接種を優先するという形になる。
日経新聞および読売新聞の報道に対し、五輪組織委員会および日本オリンピック委員会から直接のコメントはなかった。また、両紙の報道では情報源は明らかにされていない。
日経および読売新聞の報道によると、ワクチン接種は日本スポーツ協会主導の下、選手、コーチ初め関係者約2,500人を対象に行われるという。
日本政府はこれまで、一般国民よりも選手に優先してワクチン接種を行うという計画は検討していないと述べていた。
今月始めには、米国の製薬大手ファイザーとドイツの提携企業バイオンテックが、東京五輪の選手およびスタッフに対しワクチン接種の提供を行う契約を国際オリンピック委員会(IOC)と締結したことを発表している。
両社は参加選手団へのワクチン接種は5月末から開始すると発表しているが、具体的な対象チーム等は明らかにしなかった。
日本はこれまでファイザー製ワクチン以外の承認を行っておらず、東京をはじめとする各地域が新型コロナウイルスによる緊急事態に直面しているなかで他国に比べてワクチン接種の展開が遅れており、政府に対するプレッシャーが高まっている。
現時点でのワクチン接種対象者は医療従事者および高齢者のみとなっており、それ以外の一般国民のワクチン接種に関しては具体的な日程は明らかになっていない。
世論調査ではワクチン接種に対する不満の高まりが明らかになっており、政府はワクチン接種展開のスピードアップを約束している。
約10週間後には開会式が行われる東京五輪に対しては日本国内で議論が続いており、世論調査では過半数が今夏の開催に反対という結果が出ている。
だが、12日の共同通信の報道によると、匿名の情報源への取材により200人の医師ボランティア募集に対し280人の応募があったことが明らかになっており、大会関係者には明るい材料も出てきている。
日本の医療システムが新型コロナウイルス第4波によってプレッシャーに晒される中で医療ボランティアを募集した組織委員会に対しては、非難の声が寄せられてきた。
世論の反対にもかかわらず、組織委員会は安全性ガイドライン、選手へのワクチン接種強化、東京で行われている一連のテスト大会の例などを挙げ、東京五輪は今夏に安全に開催できると主張している。
AFP