
開幕まであと2か月となった金曜日、IOCは東京オリンピック組織委員会との最終合同会議を終えた。
会議では、懐疑的な国民や医学界をオリンピックの開催に向けて説得することに重点が置かれた。
IOCのジョン・コーツ副会長は水曜日、会議の冒頭で「これから3日間、やるべきことがたくさんある」と話した。
問題の核心は、世論調査の質問の仕方にもよるが、日本国民の60〜80%が、「安全・安心な大会」という主催者による再三の保証にもかかわらず、延期されたオリンピックがパンデミックの最中に開催されることを望んでいないということだ。
今のところ、オリンピックが中止になるという兆候はない。国際オリンピック委員会は繰り返しオリンピックを開催すると言ってきた。
しかし、IOCの最古参委員であるリチャード・パウンド氏は、日本の時事通信とのインタビューの中で、中止を判断する最終期限はまだ1か月先だと述べている。
「6月末までに、開催か中止かを本当に知る必要がある」と時事通信はパウンド氏の言葉を引用した。パウンド氏は、「今、オリンピックが実現できなければ、再延期ではなく、中止される」と繰り返した。IOCも同様の見解を示している。
1988年のオリンピック柔道の銅メダリストで、日本オリンピック委員会の理事を務める山口香氏は、今週行われた日本の共同通信のインタビューで、主催者が追い詰められていることを示唆した。山口氏は開催に懐疑的だ。
「もう中止もできないところまで来ている」と山口氏は述べた。
東京、大阪をはじめとする多くの都道府県が緊急事態宣言下にあり、医療体制も逼迫している。緊急事態宣言は5月31日に終了することになっている。しかし、延長されて7月23日の開催日に近づく可能性が高い。
東京都医師会の尾﨑治夫会長は、週刊誌「AERA」の取材に対し、「今の状況が続くのであれば、政府には5月末で緊急事態宣言を終わらせない賢明さを持ってもらいたい」と語った。
尾﨑氏は一貫して、政府による新型コロナウイルスの感染拡大抑制策は不十分だと述べてきた。日本における新型コロナウイルスによる死亡者数は約1万2000人で、日本ではほとんどの人がワクチン接種を完了していないため、状況はさらに悪化している。
尾﨑氏は、もし緊急事態宣言が延長されなければ、新型コロナウイルスと感染力の強い変異株は急速に広がるだろうと警告している。
「もしそうなれば、大規模な感染が発生し、オリンピック開催は絶望的になる可能性がある」と尾﨑氏は付け加えた。
このような警告を発しているのは尾﨑氏だけではない。
6000人が所属する東京保険医協会は先週、菅義偉首相、小池百合子東京都知事、丸川珠代オリンピック担当大臣、橋本聖子オリンピック組織委員会会長に宛てて、オリンピック開催の中止を求める意見書を出した。
意見書には、「感染者数や死亡者数を増やす可能性のあるイベントを中止することが正しい選択だと考えている」と書かれている。
「ストップ東京オリンピック」キャンペーンを主催する宇都宮健児氏は、オンラインで37万5000人の署名を集めた要望書を、金曜日に大会組織委員会と菅首相に届ける予定だと述べた。宇都宮氏は、すでに小池百合子東京都知事に要望書を届けている。
IOCのトーマス・バッハ会長は日本の医療体制が逼迫していることを認識しており、日本を支援するために各国オリンピック委員会が「追加の医療スタッフ」を提供できると水曜日に述べた。
バッハ会長は詳細を明らかにしなかった。しかし、この動きは各国オリンピック委員会の負担を増やすことになる。各国オリンピック委員会の多くは、日本に代表団を派遣するためのガイドラインを満たすのに苦労している。
バッハ会長はウイルスの影響で今月の日本訪問を中止せざるを得なかった。しかし、7月の来日を予定しており、これはオリンピック開幕のほんの数日前にあたる。
AP通信