
モントリオール:世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は21日(金)、東京オリンピックにおいて、乾燥血液スポット検査の利用を試験的におこなうと述べた。この検査は、薬物不正使用防止において、形勢を一新出来るかと見られる。
世界的なアンチ・ドーピング監視機関であるWADAの理事会と執行委員会のオンライン会議後、ウィトルド・バンカ委員長は、この新しい方法は既存のアンチ・ドーピング技術を補足すると話した。
指先の穿刺によって少量の検体を採取し吸収カードにしみこませる乾燥血液スポット検査は、アンチ・ドーピングにおける新時代を示し、最終的にはより多くの選手に、より多くの検査をおこなうことを可能にするだろうと、バンカ氏は述べた。
「この検査は、選手とアンチ・ドーピング機関の双方にかなりの前向きな影響を与えられるでしょう」とバンカ氏は述べた。「これは、アンチ・ドーピングにおける真のゲーム・チェンジャーとなると、確信しています」
WADAはこの新しい方法は今年に延期された東京オリンピックにおいて試行されると述べているが、検査員たちは来年2月に北京でおこなわれる冬季オリンピック・パラリンピック大会では、この技術が「通常に」利用されることを願っている。
乾燥血液スポット検査によって、不安定な化合物をより広範囲に分析することが可能となり、従来の血液検体の輸送が困難な付きまとう世界の遠隔地域で、選手を検査することが容易になると、WADAは話した。
「輸送面や費用面での利点から、乾燥血液スポット検査は、検査機関がより多くの選手を対象とし、より多くの検体を採取することを可能にします」とバンカ氏は言い、アンチ・ドーピングのための「大きな一歩」だと述べた。
WADAの科学部門の責任者オリビエ・ラビン氏は、乾燥血液スポット検体は、より安価に採取できるとも述べた。
「現在、血液検体を輸送するとき、小瓶に入れて輸送します。乾燥血液スポット検体の場合は、紙片を輸送するだけです」とラビン氏は話した。
「検体の保管についても、保管する量がずっと少ないため、かなり節約できます」
「乾燥血液のしみがあるカードを保管することは、血液やさらに尿の入った小瓶に比べ、ずっと簡便です」
AFP